[社会]仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

日本の社会の仕組みや行政手続き等の方法・仕方・手順などを取り扱います。


不動産登記法上の用語の定義―登記権利者


登記権利者とは

登記権利者の定義・意味・意義

登記権利者とは、権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいいます。

不動産登記
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。

登記権利者の具体例

売買の場合

登記権利者、すなわち、「登記上、直接に利益を受ける者」の代表例としては、不動産売買における買主があげられます。

すなわち、売買による所有権移転の登記を申請する場合には、新たに登記名義人となる買主が、「登記上、直接に利益を受ける者」として、登記権利者となります。

代位の場合

不動産の買主の債権者が、買主に代位して、その売買による所有権移転の登記を申請する場合、登記権利者は買主であって、代位者ではありません。

登記権利者の位置づけ・体系

登記権利者と登記義務者

民法は、不動産の物権変動(不動産に係る権利変動)に登記を要求しています。

不動産登記制度の趣旨の一つは、物権変動を公示して、取引の安全を図る点にあります。

民法
(不動産に関する物権の変動の対抗要件
第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

物権変動とは、「物権の得喪(取得と喪失)及び変更」をいいますが、たとえば、「物権の得喪」では、文字通り、権利を取得する者がいればこれを喪失する者もいることになります。

物権変動は、物権の発生・変更・消滅とも定義されますが、これを主体の側から見ると、物権の取得・変更・喪失ということになります。

こうした実体法上の権利の得喪等に対応して、手続法である不動産登記法の世界でも登記権利者と登記義務者が登場します。

ただし、実体法上の権利者・義務者と手続法上の登記権利者・登記義務者は完全に対応しているわけではありません。

共同申請の原則(共同申請主義)

なお、不動産登記では、権利に関する登記の申請は、原則として、登記権利者と登記義務者が共同してしなければならないものとされています。

これを共同申請の原則ないしは共同申請主義といいます。

不動産登記
(共同申請)
第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。



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