不動産登記申請の手続き―登記所に提供する情報―②添付情報―種類―第三者の許可書・同意書・承諾書

第三者の許可書・同意書・承諾書とは

第三者の許可書・同意書・承諾書の定義・意味・意義

登記の申請をする場合、法律や先例により、登記原因（表示変更や権利変動の原因）について、第三者の許可、同意、承諾が必要とされている場合があります。

この場合、第三者が許可、同意、承諾したことを証する情報を提供する必要があります。

この情報を第三者の許可書、第三者の同意書、第三者の承諾書といいます。

ただし、登記申請書（不動産登記）の「添付情報」の欄には、単に「許可書」または「同意書」または「承諾書」と記載します。

実際に、許可書・同意書・承諾書のうち、どの表現を使うかは、根拠となる法令等によりますが、紛らわしい場合は、登記所に確認しましょう。

第三者の許可書・同意書・承諾書の具体例

第三者の許可書

農地法の許可書
裁判所の許可書

第三者の同意書

未成年者の法定代理人の同意書
合同会社における社員の過半数の同意書または総社員の同意書

第三者の承諾書

利害関係人の承諾書
株主総会議事録

第三者の許可書・同意書・承諾書の位置づけ・体系

不動産登記の申請は、登記所に次の３つの情報を提供して行います。

第三者の許可書・同意書・承諾書は、このうち添付情報の一つとして、不動産登記の申請をする場合に必要となる情報です。

不動産登記令
（添付情報）
第七条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。
…
五権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報
…
ハ登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報

添付情報には、第三者の許可書・同意書・承諾書も含めて、次のような種類があります。

第三者の許可書・同意書・承諾書の書式・様式

電子署名 または 記名押印

第三者の許可書・同意書・承諾書には、原則として、その作成者の電子署名または記名押印が必要となります。

電子申請・オンライン申請の場合

オンライン申請（不動産登記）をする場合、作成者の電子署名が必要となります。

不動産登記令
（電子署名）
第十二条 …
２　電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

書面申請の場合

書面申請（不動産登記）をする場合は、許可書を除き、作成者の記名押印が必要となります。

不動産登記令
（承諾を証する情報を記載した書面への記名押印等）
第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。