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不完全履行―要件

不完全履行に基づく責任を追及するには、次の要件をみたさなければなりません。

  1. 不完全な履行がされたこと
  2. 瑕疵の存在を認識したうえで、これを容認して目的物を受領していないこと(不特定物売買の場合)
  3. 債務者に帰責事由があること(損害賠償を請求したり、契約を解除したりする場合

 

1.不完全な履行がされたこと

まず、不完全履行に基づく責任を問うための第1要件としては、債務者が債務の履行として給付をしたが、それが不完全であった(「債務の本旨に従った履行」ではない)ことが必要です。

 

2.瑕疵の存在を認識したうえで、これを容認して目的物を受領していないこと(不特定物売買の場合)

この要件は、 不特定物売買における、民法第570条が規定する瑕疵担保責任と第415条が規定する不完全履行責任との適用関係に関する要件となります。

※不特定物売買…小売店で売っているような電化製品など取り替えがきく通常の商品売買が不特定物売買で、中古自動車などの売買が特定物売買となります。

 

この点、いくつか学説がありますが(法定責任説、契約責任説)、実務上は関係ありません。

判例の示す基準は次のとおりです。

「不特定物の売買において給付されたものに瑕疵のあることが受領後に発見された場合には、買主がいわゆる瑕疵担保責任を問うなど、瑕疵の存在を認識した上で右給付を履行として容認したと認められる事情が存しない…」

ことです。

 

表現は硬いのですが、言っていることはごく常識的な内容です。

つまり、買い主が、売買の目的物に欠陥があることを承知の上で受領した(売り主が商品の引渡義務をきちんと果たしたことを買い主が認めている)というような事情がないことです。

もっと平たく言うと、買い主が売り主に対し不完全履行責任を追及するには、買い主は購入時に商品に欠陥があることなど知らなかったし、別に欠陥のある商品でもかまないとも思っていない、ということが必要である、ということです。

 


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