事業計画書の趣旨・目的・機能・役割
事業計画書は何のために作成するの
はじめに
事業計画書とは、自分の志(創業)を実現するための具体的な行動を示す計画書
ですが、事業計画書を作成するのは、銀行や日本政策金融公庫などの公的金融機関から融資を受けるために事業計画書が必要だから、という場合が多いかと思います。
確かに、融資を受けるには何らかの事業に関する計画書の作成は必須でしょう。
しかし、本来、事業計画書にはもっと大切な役割があります。
このページでは、事業計画書を作成する主な目的についてまとめてみます。
1.イメージ・考えを具体化して実現可能なものにする
事業計画書には、創業者が頭の中に描いている創業のイメージをより具体的にまとめることにより、実現可能なもの
にするという大切な役割があります。
つまり、頭の中にあるもの(イメージや漠然とした考え)を、すべて外部に出し切ってリスト化し、それらをコトバ化・文書化して体系的に整理することで、「志」(思いや夢)の具体性・実現性が高まるということです。
事業計画書も、いわば、GTD(Get Things Done)※の一種といえると思います。
※仕事を成し遂げる技術として、デビッド・アレンが提唱した方法論
イメージや考えを具体化する
創業・起業しようという人であれば、少なくとも頭の中ではいろいろと考えているでしょう。
しかし、すべてを頭の中だけで考えるということは大変難しいことですし、また、つらいことです。
それを人に話したり、メモにしたり、ノートにまとめたりと外部化することで、頭の中が整理され、考えが進展して具体的になり、また、精神的にも楽になります。
頭の中のイメージや考え → 口頭(話す) → メモや走り書き → ノート
イメージや考えを実現可能なものにまで高める
そして、これらをさらに事業計画書という一定の様式・書式をもった書面に落とし込んでいくことで、事業の実現可能性(本当に事業として成り立つのかどうか)を検証することができます。
また、こうした作業は事業のことをもっと抽象的に、長期的・戦略的レベルで考えるきっかけになり、自分の考えている事業がより実現可能なものへとなっていきます。
これが事業計画書を作成する最大の目的といえるでしょう。
2.PDCAサイクルを回すための基本ツール・アイテムになる
経営学上の基本理論にPDCAサイクルがあります。
P(計画) → D(実行) → C(検証) → A(計画の見直し・対策)
事業計画書は、このPDCAサイクルを回すためにも欠かせない基本ツールとなります。
事業計画書を起点に実行し、その結果を検証し、見直していきます(計画書を書き換えていく)。
事業が成功するかどうかの答えは外にではなく、こうした過程を通じて自分の内に求めていかなくてはいけません。
それを集約して記録していく媒体が事業計画書です。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 3 ページ]
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ