先取特権―分類・種類―不動産の先取特権(不動産先取特権)
不動産の先取特権とは
不動産の先取特権の定義・意味・意義
先取特権には、その目的物の違いにより、次の3つの種類があります。
このうち、不動産の先取特権とは、次に掲げる原因によって生じた債権を有する人に認められる、債務者の特定の不動産を目的とする先取特権をいいます。
- 不動産の保存
- 不動産の工事
- 不動産の売買
民法 (不動産の先取特権) 第三百二十五条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。
一 不動産の保存
二 不動産の工事
三 不動産の売買
なお、民法上は、「不動産の先取特権」と呼称されていますが、不動産先取特権とも呼ばれることがあります。
1.不動産の先取特権の被担保債権
次の債権をもっている人には、法律上当然に不動産の先取特権が成立し(法定担保物権)、その債権が、債務者の特定の不動産により、担保されることになります。
- 不動産の保存
- 不動産の工事
- 不動産の売買
2.不動産の先取特権の目的物
つまり、債権が弁済されない場合は、債務者の特定の不動産を対象に競売にかけて、その競売代金から、他の債権者より優先して弁済を受けることができます。
不動産の先取特権の順位
一般の先取特権との関係
不動産の先取特権は、一般の先取特権より、優先されます。
民法 (一般の先取特権の順位) 第三百二十九条 2 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。
不動産の先取特権の競合
同じ不動産に、不動産の先取特権が成立して競合する場合は、次の順位となります。
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