先取特権―分類・種類―一般の先取特権(一般先取特権)
一般の先取特権とは
一般の先取特権の定義・意味・意義
先取特権には、その目的物の違いにより、次の3つの種類があります。
このうち、一般の先取特権とは、次に掲げる原因によって生じた債権を有する人に認められる、債務者の総財産を目的とする先取特権をいいます。
- 共益の費用
- 雇用関係
- 葬式の費用
- 日用品の供給
民法 (一般の先取特権) 第三百六条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日用品の供給
なお、民法上は、「一般の先取特権」と呼称されていますが、一般先取特権とも呼ばれることがあります。
1.一般の先取特権の被担保債権
次の債権をもっている人には、法律上当然に一般の先取特権が成立し(法定担保物権)、その債権が、債務者の総財産により、担保されることになります。
- 共益の費用
- 雇用関係
- 葬式の費用
- 日用品の供給
2.一般の先取特権の目的物
つまり、債権が弁済されない場合は、債務者の総財産を対象に競売にかけて、その競売代金から、他の債権者より優先して弁済を受けることができます。
一般の先取特権の順位
物権は排他的効力があるため、原則として公示が必要です。
公示とは、不動産の場合は不動産登記、動産の場合は引渡となります。
しかし、一般の先取特権は、その存在が個々の財産ごとに公示されません。
そのため、第三者が不足の損害を被るおそれがあります。
そこで、一般の先取特権の効力は制限されています。
すなわち、一般の先取特権の効力は、特別の先取特権(動産の先取特権と不動産の先取特権)、質権、抵当権に劣後します。
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