保証債務―連帯保証
連帯保証の定義・意味
連帯保証とは、主たる債務者と連帯して保証債務を負担することをいいます。
この債務を負担する人を連帯保証人といいます。
連帯保証の特色・特徴
連帯保証は、通常の保証より債権者に有利(逆に言えば保証人には不利)であるため、保証債務よりよく利用されています。
簡単にいうと、通常の保証人の責任はあくまで副次的なものにすぎません。
しかし、連帯保証の場合には、債権者は債務者に債務の履行(貸したお金の返済など)を請求するのではなく、いきなり保証人に請求することができます。
とはいうものの、実際にはまずは債務者に請求するのが通常ですが。
詳しくいうと、連帯保証は、次の3つの点で通常の保証よりも債権者に有利となります。
- 連帯保証人には催告の抗弁権がない
- 連帯保証人には検索の抗弁権がない
- 連帯保証人には分別の利益がない
1.連帯保証人には催告の抗弁権がない
催告の抗弁権とは、債権者が保証人に債務の履行を求めた場合、保証人がまず主たる債務者に履行を請求してくれと主張できる権利をいいます。
第四百五十二条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
主たる債務者と連帯して責任を負うものとされている連帯保証人にはこの権利はありません。
2.連帯保証人には検索の抗弁権がない
検索の抗弁権とは、債権者が主債務者の財産について強制執行するまで保証債務の履行を拒絶することができる権利をいいます。
保証人にとっては、催告の抗弁権以上に実効性の大きい権利です。
第四百五十三条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
主たる債務者と連帯して責任を負うものとされている連帯保証人にはこの権利はありません。
3.連帯保証人には分別の利益がない
分別の利益とは、共同保証の場合、保証債務は共同保証人の数に分割され、各共同保証人は原則として主債務の額を平等の割合で分割した額についてだけ保証債務を負担すればよいものです。
例えば、主債務が300万円で、これを保証する保証人が全部で3人いる場合、各保証人が負担する保証債務額は100万円となります。
連帯保証人の場合には、この分別の利益はなく、主債務額の全部を保証しなければなりません。
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