売掛金の回収―取引先が破産した場合
取引先が破産した場合の売掛金の回収方法
原則
商品を納品している取引先が破産した場合に、売掛金を回収するには、原則として、破産手続きの中で、債権者にその債権の額に応じて分配される配当によることになります。
しかし、その配当金の額は、債権額にはまったく不十分であることが通常です。
例外
取引先が破産した場合に、売掛金を優先的に回収するには、次の2つの方法があります。
1.相殺による回収
相殺とは、2人が互いに相手に対して同種の債権をもっている場合に、一方から相手方に対する意思表示によって、その債務を対当額で消滅させることをいいます。
相殺には、特に抵当権などの担保物権がなくても、簡単に(相手方の同意なく、自分の一方的な意思表示だけで)、そして確実に債権回収ができる債権担保(債権回収)機能がありますので、相殺をすることで事実上の優先弁済を受けることができます。
したがって、自分の側にも支払い分がある場合には、それを受動債権として相殺することで、優先的に売掛金を回収することができます。
この場合、もし、自分の側の支払い分の支払時期のほうが早く到来する場合には、取引先の合意を得て、支払時期を売掛金の支払い後にするなど調整して、相殺適状にしておきます。
2.担保権実行による回収
取引先が破産した場合の売掛金の回収方法―例外―担保権実行による回収
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