相殺(法定相殺)
相殺とは
相殺の定義・意味・意義
相殺とは、2人が互いに相手に対して同種の債権をもっている場合に、一方から相手方に対する意思表示によって、その債務を対当額で消滅させることをいいます。
相殺の根拠法令・条文
相殺については民法に規定されています。
民法 (相殺の要件等) 第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。
相殺の趣旨・目的・役割・機能
相殺の制度趣旨
民法で相殺の制度が認められている趣旨は、①双方がその債権を別々に取り立てるという不便を除くためと、②公平のためとされています。
相殺の社会的機能
相殺の実務上の効果としては、(趣旨① 不便を除く→)相殺による簡易な決済機能と、(趣旨② 公平→)債権担保機能とがあげられます。
簡易決済機能
互いに相手に対し同種の債権をもっている当事者は、弁済により、それぞれに弁済行為を行うという手間を省くことができます。
債権担保(債権回収)機能
相殺により、特に抵当権などの担保物権がなくても、簡単に(一方的な意思表示だけで)、そして確実に債権回収ができるということになります(事実上の優先弁済)。
たとえば、不良債権を、当該債務者に対して債務を負っている第三者に債権譲渡し、その第三者(債権の譲受人)が当該債権を自働債権として第三者が債務者に対して負っている債務(受動債権)と相殺することで債権回収を図るという方法もあります。
相殺の要件・効果
相殺の方法
相殺の方法(相殺の仕方)については、次のページを参照してください。
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