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マンション購入の注意点・ポイント―騒音問題―マンションの防音性・遮音性―床の仕様(厚さなど)


マンションの防音性遮音性―床の仕様(厚さなど)

はじめに

アパートやマンションなどの集合住宅でもっとも苦情が多いといわれているのが、騒音問題です。

しかし、建物自体の防音性が高ければ、こうした騒音問題も防止ないしは軽減されます。

マンション購入の注意点・ポイント―騒音問題―マンションの防音性

建物防音性は、まずは、その建物の構造により大きく左右されますが、最終的には、や床の仕様(厚さなど)で決まります。

このページでは、高い防音性遮音性のために、満たしておきたい床の厚さなどの基準についてまとめてみます。

問題(対象)となる騒音の種類

騒音は、空気音(空気中を伝わる音)と固体音(床やを伝わる音。床衝撃音など)の2つの騒音に大別されます。

このうち、空気音は、通常のマンションではほとんどなりません。

たとえば、テレビの音も、よほど大きな音を出さない限り、他の部屋からは聞こえてきません。

マンションで、問題になるのは、空気音よりも固体音です。

床は、このうち固体音の一つである床衝撃音に大きく影響します。

床衝撃音は、さらに軽量床衝撃音と、重量床衝撃音の2つに大別されます。

  1. 軽量床衝撃音
  2. 重量床衝撃音

騒音とは

マンションで特に問題となるのは、足音や飛び降りたりするとき重量床衝撃音です。

高い防音性遮音性のために満たしておきたい床の仕様(厚さなど)の基準

軽量床衝撃音重量床衝撃音も、床スラブの厚さと広さ・面積(梁間面積といいます)が大きく影響します。

や床が厚く、かつ、広さ・面積が狭いほど振動しにくくなり、したがって、衝撃音に対する遮音性が高くなります。

具体的には、床スラブの厚さと梁間面積の組み合わせで、述する床の遮音等級が決まってきます。

スラブ厚と梁間面積と床の遮音等級(重量床衝撃音)の関係
15㎡
20㎡
25㎡
30㎡
150mm
LH-50
LH-55
LH-60
LH-60
160mm
LH-50
LH-55
LH-55
LH-60
180mm
LH-45
LH-50
LH-55
LH-55
200mm
LH-45
LH-45
LH-50
LH-55
230mm
LH-45
LH-45
LH-50
LH-50

また、軽量床衝撃音では、床の仕上げ材の種類によっても大きく影響されます。

一般的には、フローリングよりもカーペットや畳などのほうが軽量床衝撃音に対する遮音性能は高くなります。

床スラブの厚さ

鉄筋コンクリート造(RC造)では、床は鉄筋コンクリートが使用されていることがほとんどです。

床面に使用された鉄筋コンクリートの板のことを床スラブといいます。

一般的に床スラブは、厚いほど遮音性防音性が高くなります。

軽量床衝撃音重量床衝撃音も、それに対する遮音性を左右するのは、まずは床スラブの厚さです。

床スラブの厚さが160mm程度では、梁間面積が広くなると、LH-60という最低の遮音等級になります。

つまり、騒音問題が発生する可能性が高いということです。

防音対策上は、200~250mm以上あることを基準にしましょう。

梁間面積

述したように、床スラブが厚いというだけでは、十分ではありません。

遮音性は、床スラブの面積にも左右されます。

床スラブの面積は、梁によって囲まれた部分で計算します。

これを梁間面積(はりまめんせき)といいます。

床衝撃音に対する遮音性能を評価する度―床の遮音等級

軽量床衝撃音に対する遮音性能を表す度はLL値重量床衝撃音に対する遮音性能表す度はLH値であらわされます。

売主や貸主から不利な場合はあえてLH値を表記しないことがあります。

しかし、マンションなどでは、LHが、問題となることが多いので、LHの値を確認するようにしましょう。

LL値とLH値の詳細については、次のページを参照してください。

騒音に対する遮音性能の尺度―LL値・LH値とは

軽量床衝撃音に対する遮音性能―LL

LLは、軽量床衝撃に対する床の遮音性能を表わす数値です。

LL値が低いほど、遮音性能は高くなります。

防音対策上は、LL-45以上遮音性能がある建物を選びましょう。

重量床衝撃音に対する遮音性能―LH

LHは、重量床衝撃に対する床の遮音性能を表わす数値です。

LH値が低いほど、遮音性能は高くなります。

LH-55が標準とされていますが、防音対策としては、LH-50以上遮音性能がある建物を選びましょう。



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