[社会]仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

日本の社会の仕組みや行政手続き等の方法・仕方・手順などを取り扱います。


住宅(家)


住宅とは 【residence

住宅の定義・意味など

住宅(じゅうたく)とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」や「独立行政法人住宅金融支援機構法」などでは、人の居住の用に供する建築物等と定義されている。

参考:建築基準法第2条第1号に規定する建築物

住宅の位置づけ・体系(上位概念等)

建築物

住宅は建築物のひとつに位置づけられる。

なお、原始代には建築物の種類は住宅だけであった。

しかし、生活が複雑になるにつれ、住宅からいろいろな機能が外に分化・集約化されるようになる。

たとえば、古代における倉庫、宗教建築に始まり、近代の学校、病院、娯楽施設、宿泊施設、商店、飲食店、工場、事務所などの発生がそれである。

また、今の情報技術の発達によって外部化した機能の一部が再び住宅内に戻る可能性もある。

平凡社 『世界大百科事典』

住宅の目的・役割・意義・機能・作用など

身体の拡張
共同の体温調節機構

住宅など建築物の本来の機能は外敵を防ぎ、雨露をしのぐことであった。

参考:平凡社 『世界大百科事典』

雨が降り雪が積もる地域では、体がぬれないように、ぬれて体温を奪われることを避けるため、ぬれた体を乾かすため、冷えた体を暖めるために覆いが必要になる。

また、極端な暑さ・さに対して人の身体は十分に順応することができないから、直接体に着ける衣服を調節し、さらに囲まれたスペースをつくらなければならない。

とくに、寝ている間外界からの働きかけに対してまったく無防備であることから、寝るという行為のために身を守る覆いが必要である。

参考:小学館 『日本大百科全書』

このように、住宅は人が生きていくために生理的に必要な条件を満たすための場所であり、人が生活を営むうえで、建築物のなかでもっとも直接的・基本的な要求を実現する機能を果たす。

参考:小学館 『日本大百科全書』、平凡社 『世界大百科事典』

この点につき、メディア論で著名なマーシャル・マクルーハンは、住宅を人間の体温調節機構を拡張するものと表現している。

マーシャル・マクルーハン 『メディア論―人間の拡張の諸相』 みすず書房、1987年、126項。

衣服が個人の皮膚の拡張で、体温とエネルギーを蓄え伝えるものであるとするなら、住宅は同じ目的を家族あるいは集団のために達成する共同の手段である。

住宅は人が身を寄せる場であり、我々の体温調節機構の拡張―すなわち、共同の皮膚あるいは衣服―である。

…。衣服はその問題をより直接的に捉えるものであるが、それほど根本的にやっているわけではない。個人的にやっていて、社会的にやっているわけではない。衣服も住宅も共に温度とエネルギーを蓄え、もしそれがなければできないような多くの仕事をしやすくしてくれる。…。衣服の場合も住宅の場合も、熱調節が鍵となる要因である。

マーシャル・マクルーハン 『メディア論―人間の拡張の諸相』 みすず書房、1987年、124項・126項。

家族生活の拠点

通常、人間は1人で生活することはなく、集団を形成している。集団のもっとも小さいそして基本となるのが家族である。

小学館 『日本大百科全書』

現代の住宅の主たる機能を考えると、それは家族の休息と家族間の交流にあるということができる(→リビングルーム)。

平凡社 『世界大百科事典』

特別なモノ・モノの基礎―日常生活を包み込むシステム(シェルター装置・システム装置)

19世紀以降、とりわけ今世紀に住宅は、あらゆる日用品を入れ込み、人間を入れ込んだシステムとして捉えられるようになったという点で、他のモノとは異なる。

ポストモダンの代表的な思想家であるジャン・ボードリヤールはその著『物の体系』で、住宅はあらゆる日用品を組み込んでいるという点において、他の日用品と区別し特別なものとして位置づけている。

柏木博 『日用品の文化誌』 岩波書店、1999年、3項。

マクルーハンも住宅をその他いっさいのメディアの基礎となる機能を果たすものと述べている。

マーシャル・マクルーハン 『メディア論―人間の拡張の諸相』 みすず書房、1987年、126項。

実際、住宅は生活を営むための器として、その機能上の要求はますます多様化し、さまざまな機器・装置が設備化されている(→建築設備)。

衛生設備

住宅は病から身体を守るため、トイレ浴室・洗面台といった衛生設備を収めた機械である。

最低限度の人間生活を可能にするものは、トイレ浴室=衛生設備である。1995年の阪神大震災のに、被災者に緊急に必要とされたのも、台所ではなくトイレ浴室であった。

参考:柏木博 『日用品の文化誌』 岩波書店、1999年、6項。14ー15項。

住宅の分類・種類

戸建てと集合住宅

住宅は戸建てと集合住宅に大別される。

持ち家と賃貸住宅

住宅は持ち家と賃貸住宅に大別することもできる。



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