不法行為―要件(不法行為の成立要件)―他人の権利または法律上保護される利益を侵害したこと
不法行為の成立要件―他人の権利または法律上保護される利益を侵害したこと
不法行為の成立要件は次の5つである。
このページでは、上記のうち、「2.他人の権利または法律上保護される利益を侵害したこと」について取り扱う。
この「他人の権利または法律上保護される利益を侵害した」という要件は、さらに次の2つの部分に分解することができる。
- 他人の権利または法律上保護される利益を
- 侵害した
1.他人の権利または法律上保護される利益
不法行為の法益(不法行為法で守られるべき利益)は変遷を経て広く捉えられるようになり、(法律上の)「権利」ばかりでなく「法律上保護される利益」まで拡大した。
たとえば、婚姻の届出をしていないが夫婦生活をしている(つまり、内縁関係にある)男女の関係は法律上の夫婦ではないので、「権利」はないが、「法律上保護される利益」はあるので、不法行為法で保護されうる。
したがって、内縁関係を破綻させた者も、不法行為責任を負う可能性がある。
2.侵害
侵害行為の違法性
民法の条文上は「(他人の権利又は法律上保護される利益を)侵害した」とあるが、判例・通説は単に「侵害した」だけでは足りず、「違法に侵害した」ことが必要であると解している。
つまり、不法行為を構成するには当該侵害行為が違法性を有していることが必要になる。
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