［社会］仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

家事事件―履行命令とは

履行命令とは

履行命令制度の目的・趣旨・位置づけ

履行命令の制度は、履行勧告の制度と同じく、家庭裁判所で行われた調停や審判の結果を守らない人に対して、それを守らせるための制度の一つです。

履行命令制度の内容

相手方が履行勧告に従わない場合、家庭裁判所に対して履行命令の申し立てをすることができます。

家庭裁判所が履行命令の申し立てに、十分な理由があると認めた場合は、期限を定めて取決めを守るように、命令します。

履行命令は、履行勧告のような「勧告」ではなく、「命令」ですので、正当な理由がなく、履行命令に従わないときは、１０万円以下の罰金が課せられます。

履行命令制度の対象・適用範囲

履行命令の制度は、子の引き渡し義務のような金銭債務以外の問題でも利用することができます。

履行命令制度の長所と短所

長所・メリット・利点

強制執行と違って、煩雑な手続きもなく、また、ほとんど費用もかかりません。

家庭裁判所が関与しますので、相手方に対し、心理的圧力・プレッシャーを与えることができる、という効果も期待できます。

短所・デメリット・弱点

履行勧告と同様、法的な強制力はありません。

したがって、履行勧告で効果がない場合には、履行命令ではなく、強制執行という手段・方法を検討したほうがよい場合もあります。

履行命令の次の手段・方法

履行命令をしても、相手方が取り決めを守らないときは、強制執行の手段によることになります。