原則―近代私法の三大原則―過失責任主義(過失責任の原則)
過失責任主義とは
過失責任主義の定義・意味・概念
過失責任主義とは、他人に損害を加えても、故意・過失がある場合にだけ損害賠償責任を負うという原則をいいます。
過失責任の原則、自己責任の原則ともいいます。
過失責任主義の趣旨・目的・機能
過失責任主義は、自由と平等を理念とする近代において、個人の自由な活動を保障するために必要とされる原則です。
過失責任主義の位置づけ・体系
上位概念
過失責任主義は、近代私法の三大原則の一つとされている私的自治の原則から派生する原則の一つに位置づけられます。
近代私法の三大原則 > 私的自治の原則 > 過失責任主義(過失責任の原則)
反対概念
過失責任主義に対する概念は、過失がない場合にも責任を負うとする無過失責任主義です。
過失責任主義の経緯・沿革・歴史など
資本主義の発達に伴い、公害や交通事故が発生するようになると、過失責任主義では被害者の救済に不十分となりました。
そこで、無過失責任主義を採用する立法が増えてきました。
たとえば、交通事故の領域では、民法の特別法たる自動車損害賠償保障法(いわゆる自賠法)などがあります。
過失責任主義の民法における表れ・具体例
私法の一般原則である民法では、一般不法行為に関する規定(709条)などで過失責任主義が採用されています。
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