賃金減額(賃金引下げ・賃下げ・減給)の方法―個別の合意
はじめに
賃金を減額する方法としては、大別すると、次の2つがあります。
労働者側と使用者とが合意により行うのが原則ですが、これには、さらに次の2つの方法があります。
- 労働者と使用者の個別の合意(各人ごとに合意)
- 労働組合と使用者の労働協約による合意
特に、労働組合がない会社の場合は、労働者と使用者の個別の合意による方法がとられることになります。
このページでは、個別の合意による方法についてまとめています。
労働者と使用者の個別の合意による賃金減額の方法
ポイント・注意点
1.労働者の自由な意思に基づいたものであること
判例は、賃金減額に対する労働者の同意・承諾の意思表示は、客観的に労働者の自由な意思に基づいたものであると認められるときに限り有効であるとしています。
したがって、賃金減額の根拠(賃金引き下げの必要性)について十分な説明を行い、減額に対する同意の意思表示を明示的に求め、かつ、そのことが証明できるようにしておく必要があります。
2.書面による合意
労働者各人の個別の合意を得ることで賃金引下げを行う場合は、後々本当に合意があったのかが問題になることがあります。
単に口頭で合意をしただけという場合は、後日、労働者が同意をしていないと主張したとき、それを覆すための証拠がありません。
したがって、単に口頭で合意をするのではなく、合意の内容を必ず書面にしておく必要があります。
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