水回り―サニタリー―浴室
浴室 【bathroom】
浴室の構成
浴室は、次の2つから構成される。
- 浴槽(バスタブ)
- 洗い場
浴槽
日本人は浴槽内では身体を洗わない。
浴槽のお湯は共有物だからである。
したがって、浴槽に加えて、身体を洗うための洗い場が必要になる。
なお、欧米人は、浴槽のお湯は自分だけのものという観念があり、また「湯船につかる」という習慣もあまりないので、浴槽で身体を洗う(→バブルバス)。
増田 奏 『住まいの解剖図鑑』 エクスナレッジ、2009年、84-85項。
浴室の間取り
トイレ・洗面室・浴室等のサニタリーは北側になってしまうことが多いが、南側に配置すると、日差しを浴びながら入浴できたり、浴室がすぐに乾いたりするメリットがある。
飯島 信樹等共著 『快適な生活をつくる間取りの決め方』 西東社、2010年、82-83項。
なお、サニタリーは一体(ワンルーム)化することで、空間に広がりが出る(限られた床面積を有効に活用できる)等のメリットがある(→水回り)。
浴室の配置
浴室の配置は、他の部屋との連携から、次の2つに大別される。
飯島 信樹等共著 『快適な生活をつくる間取りの決め方』 西東社、2010年、82項。
リビング近接型
リビングやキッチンで行う家事と連動して入浴や洗濯ができるというメリットがある。
飯島 信樹等共著 『快適な生活をつくる間取りの決め方』 西東社、2010年、82項。
また、浴室等のサニタリーはキッチンと近接させ、水回りとして集中して配置したほうがローコストになる。
さらに、日本では浴室は家族で共有するものであり、銭湯という文化もあるので、浴室を隠す必要はないという考え方でもある。
増田 奏 『住まいの解剖図鑑』 エクスナレッジ、2009年、87項。
寝室近接型
浴室はプライベートなもので、着替えはたいてい寝室で行うので、浴室は寝室に近接させるのが基本であるという考え方である。
増田 奏 『住まいの解剖図鑑』 エクスナレッジ、2009年、87項。
浴室の広さ
ユニットバスでは浴室の広さは次のとおり。
- 0.75坪(120✕160)…最低でもこのくらいが必要。ただし、浴槽の長さが120cmしかないため窮屈感は否めない
- 1坪(160✕160)…浴槽の長さが160cmになる。気持ちよく入浴するにはこの程度は必要
- 1.25坪(160✕200)…浴槽の大きさは1坪タイプと同じであるが、洗い場が広くなるため、家族と一緒に入るには、この程度が理想
飯島 信樹等共著 『快適な生活をつくる間取りの決め方』 西東社、2010年、86項。
また、増田奏著『住まいの解剖図鑑』(エクスナレッジ)では、浴槽・洗い場の幅について、それぞれ次のような目安をあげている。
- 浴槽の幅…最低55cm
- 洗い場の幅…最低80cm
増田 奏 『住まいの解剖図鑑』 エクスナレッジ、2009年、85項。
なお、限られた空間(床面積)のもとでは、トイレや洗面室との一体型も検討したほうがよい。
浴室の注意点・注意事項・ポイント
バリアフリー
バリアフリーの観点から浴室は広めに設計しておいたほうがよい。
浴室の設備
洗面器置き台カウンター
洗面器置き台カウンターがあると、背中を丸めずに楽に身体を洗える。
浴室暖房乾燥機
暖房機能により、冬場の急激な温度変化による身体への負担を軽減できる。
その他
その他、次のような点に注意する。
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