[社会]仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

日本の社会の仕組みや行政手続き等の方法・仕方・手順などを取り扱います。


家賃滞納


賃滞納問題

難しく言えば、賃とは、マンション・アパートなど賃貸物件の賃貸借契約に基づいて支払われる物件使用の対価のことですが、賃貸借契約を締結した場合、借人には当然賃支払い義務があります(民法第601条)。

賃滞納賃収入の減少により賃貸不動産経営に大きな影響を与えることは言うまでもありません。

支払賃をきちんと管理賃回収を図ることは大切なことです。

ここでは賃滞納対策のために必要となる基本的な法的知識を整理してみました。

賃滞納問題の対応のための法律知識

賃の時効

債権5年消滅時効にかかります(民法169条)。

賃貸借契約解除解約

賃滞納者に対する法的措置としてまず考えられるのは、賃貸借契約解除です。

契約解除されると賃貸借契約は終了するので、借主は借りている賃貸不動産を明け渡さなければなりません。

ここで素直に明け渡してくれればいいのですが、明け渡してくれない場合には、さらに屋明渡し訴訟を提起し(賃滞納の場合はまず勝訴できるようです)、その勝訴判決に基づいて立退きの強制執行の申し立てもする必要が出てきます。

いずれにしても賃滞納問題に対して法的措置まで考慮するならば、その提として賃支払い請求をしたことをで証明できるようにしておく必要があります。

つまり、賃支払いの請求を内容証明で行っておく必要があるということです。

民法の規定

人は民法の特別法である借地借で保護されていますが、賃の支払を怠ると保護されません。

そこで、未払い賃がある場合には、民法の原則に戻り、賃貸人は賃貸借契約解除できます(民法541条)。

ただし、契約解除するには、次に述べるように賃貸人は相当の期間(猶予期間)を定めて賃支払いの催告(請求)をし、その期間内に賃が支払われないという条件が必要です。

解除の要件
相当の期間

賃貸借契約解除の限らず、一般に契約解除するには、原則として相当の猶予期間を定めて催告することが必要とされています。

では、「相当の期間」とは、具体的にはどのくらいの猶予期間をいうのかということが問題となりますが、賃や地代の請求の場合には7日間もあれば十分でしょう。

信頼関係破壊

さらに、民法の条文には規定されていませんが、賃貸借契約においては判例上いわゆる「信頼関係破壊理論」という有名な判例理論が確立されています。

信頼関係破壊理論とは、賃貸借契約といった当者相互の信頼関係を基礎とする継続的契約関係においては、相互の信頼関係が破壊された場合にのみ、解除権を行使することができるというものです。

つまり、賃借人保護の見地から賃貸人の解除権行使に一定の制限を加えられています。

※ただし、 解除権を行使することができる場合には、「相当の猶予期間」を要せず、ただちに賃貸借契約解除できます。

賃滞納の事情にもよりますが、一般には3ヶ月の賃料不払いがあれば、信頼関係が破壊されたといえるでしょう。



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