会社設立(法人化・法人成り)のメリット―税率が固定されていること
固定税率による節税対策・節税方法・節税効果
はじめに
会社を設立する(法人化する)メリット(理由)には、さまざまなものがあります。
会社設立(法人化・法人成り)のメリット・長所・利点・有利な点
このページでは、このうち、会社では税率が固定されているため一定の所得水準を超えると節税効果があるということについてまとめています。
固定税率による節税対策・節税方法・節税効果
個人事業主(自営業・フリーランサー)の場合
個人事業主には所得税がかかります(所得税法が適用されます)。
そして、所得税では、累進税率が採用されています。
累進税率とは、所得と税額とが比例せず、所得が増えるにつれて税率が上昇するという制度です。
たとえば、所得が195万円以下では税率は5%ですが、、900万円超~1800万円以下で33%、1800万円を超えると40%となります。
また、所得税以外に住民税や事業税もあります。
住民税の所得割の部分も含めるなら、195万円以下では15%ですが、900万円超~1800万円以下で43%、1800万円を超えると何と50%となります(つまり、半分は税金に持っていかれるということです)。
これにさらに住民税の均等割(3~4千円程度)と、そして、業種により最高5%の個人事業税がかかります。
所得税額の計算方法―所得税の税率―所得税率 - 税金―所得税法
会社・法人の場合
これに対して、会社に適用される法人税では、原則として、所得金額の大小にかかわらず一律に30%の固定税率が適用されます。
これを比例税率といいます。
比例税率とは、所得と税額とが比例する税率をいいます。
資本金1億円以下の中小企業(つまり、日本ではほとんどの会社)に対しては、例外的(?)に、税制上さまざまな優遇措置がとられていて、所得の800万円以下の部分に対しては、税率は22%に軽減されています。
法人税額の計算方法―法人税の税率―法人税率 - 税金―所得税法
ただし、会社の場合、法人税以外に、法人住民税や法人事業税もかかりますので、これらも含めた総合的な税率(これを実効税率といいます)で考える必要があります。
実効税率は会社の規模と利益により異なり、これを算出するのは若干面倒なのですが、資本金1億円以下の中小企業であれば、だいたい40%を目安にしたらよいとよく言われています。
法人税額の計算方法―法人税の税率―実効税率 - 税金―所得税法
したがって、単純に税率だけで比較をするならば、所得が900万円を超えたあたりから、会社のほうが有利ということになります。
つまり、個人事業主の場合は、所得が増えれば増えるほど、最大50%まで税率が上がり、持っていかれる税金も多くなっていきますが、会社の場合は税率が約40%(目安)と固定されているため、所得が一定水準を超えたら、個人よりは手元に残るお金は増えていくことになります。
これは逆に言えば、所得が低い場合には、会社を設立したほうが税率が高く、税金が増える場合もあるということでもあります。
ただし、個人と会社のどちらがお得かは、単純に税率だけでは決まりません。
というのは、会社には、個人では使えない節税ツールがいくつかあるからです。
こうした節税ツールを駆使することで、会社のほうが個人より税率が高くなる場合であっても、所得を低くする(あるいは、ゼロ、さらには赤字にする)ことができれば、税金を安くすることができます。
つまり、一般に税金は所得に税率をかけて算出しますが、どんなに税率が高くても所得自体がゼロ以下であれば、税金は発生しないということです。
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