会社設立(法人化・法人成り)のメリット―利益分散による節税対策・節税方法・節税効果
利益分散による大きな節税対策・節税方法・節税効果
はじめに
会社を設立する(法人化する)メリット(理由)には、さまざまなものがあります。
会社設立(法人化・法人成り)のメリット・長所・利点・有利な点
このページでは、このうち、会社を設立して利益を分散させるという節税対策についてまとめています。
会社と(一人以上の)個人の複数の節税ツールを使用できるという節税対策・節税方法・節税効果
所得税と法人税の課税対象は所得※です。
※いわゆる利益のことですが、正確には、会計上の利益(=収益-費用)とは若干異なります。
そして、個人事業主の場合は所得税法が、そして会社の場合は法人税法が適用されます。
このうち、所得税法上の所得の金額は、基本的には次の計算式で算定・算出されます。
所得金額=収入金額-必要経費
簡単に言えば、売上から経費を差し引いた利益に税金がかかるということです。
そして、法人税法上の所得の金額は、次の計算式で算定・算出されます。
所得金額=益金-損金
しかし、これも「収入金額」が「益金」に、そして、「必要経費」が「損金」へと変わっているだけで、その基本的な仕組みは所得税法と同じです。
以上については、次のページも参照してみてください。
ただし、両者の間には、一つの大きな違いがあります。
それは、会社の場合、役員報酬等も経費に含めること(=損金算入)ができるということです。
つまり、個人事業主の場合、事業から得た利益に直接税金がかかってきます。
しかし、会社の場合、この利益からさらに社長の報酬を差し引いた残額に対して税金がかかってくることになります。
会社は法律上独立した主体とされている(=法人格が与えられている)ので、会社と社長とは別人格だからです。
同族会社(妻などの配偶者や子供その他の親族)であれば、さらに配偶者等の給料も差し引かれることになります。
この違いを活用することで、税金を非常に安くすることが可能となります。
つまり、会社形態にして、事業から得た利益をそれぞれ会社・社長・親族へと分散させます。
そして、そのそれぞれの主体で節税対策を施す(節税ツールを使用する)ことにより、トータルとして、税金を非常に安くすることができるわけです(ゼロにすることも十分に可能です)。
会社を設立することによる税制上のメリットは他にもありますが、この考え方が基本といいますか、一番効果的な節税対策です。
ただし、こうした仕組み・システムをフルに活用するには、綿密な計算が必要となります。
まずは、一事業年度・会計年度の予想収益と費用(経費)が基本的なデータです。
それから、各種の所得控除(所得税)や特別控除、その他使用できる節税ツール(小規模企業共済・経営セーフティー共済・中小企業退職金共済等)をリストアップしてみます。
これにより、所得税と法人税の対象となる所得を算出できます。
そうして、所得税や法人税の税率を適用して、会社を設立するかどうかを検討します。
税率は、所得税と法人税とで異なります。
所得税では、所得が増えるのに比例して、税率も増えていきます。
これに対して、法人税では、資本金1億円以下の会社では、税率は800万円を境に2段階に固定されているといえます。
そのため、所得があるレベルを超えると、法人税のほうが税率が低くなってきます。
そのポイントは、役員報酬等をいくらに設定するかです。
いろいろとシュミレーションをしてみて、設定額によっては会社にしたほうが税金の額が安くなる場合があれば、会社を設立(法人化・法人成り)したほうがいいのかもしれません。
ただし、その際、法人税のほか法人住民税や法人事業税、そして、個人にかかる所得税や個人住民税も考慮する必要があります。
そして、さらに、忘れてはならないのが、社会保険料です。
社会保険料も含めて、総合的に損得を判断しなければなりません。
役員報酬等が増えるのに比例して、社会保険料も増えていきます。
役員報酬の設定金額を間違えると、会社にかかる税金は安くできたけれど、社会保険料が高くなってしまい、トータルでは損するというケースも出てきます。
標準報酬月額表などを睨みながらの計算となりますので、煩雑な作業となりますが、エクセル(表計算ソフト)に詳しければ、自動計算させてシュミレーションすることも可能です。
この種の用途には不十分なものですが、たとえば、次のようなエクセルシートなども参考にしてみてください。
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