安全配慮義務
安全配慮義務とは
安全配慮義務の定義・意味・意義
安全配慮義務とは、契約などの法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として、互いに相手方の身体・生命・財産を害さないように配慮すべき信義則上負う義務をいいます。
つまり、互いに相手方の身体・生命・財産を害さないように配慮すべきことは、たとえそのことが契約で定められていなくても(契約書で明文の規定がなくても)、契約から発生する義務に「付随」する義務として、「信義則」上当然に認められる、ということです。
安全配慮義務の適用範囲
安全配慮義務は、たとえば、医療、学校、労働などの分野で問題となります。
安全配慮義務の根拠法令・法的根拠・条文など
安全配慮義務一般に関する法的な根拠はありません。
最高裁判所の判例(昭和50年2月25日)によって確立された概念です。
しかし、労働の分野においては、2008年(平成20年)3月施行の労働契約法で、法律の明文をもって、使用者が、労働契約上の付随的義務として当然に、労働者に対して安全配慮義務を負うことが規定されました。
労働契約法
(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
ただし、労働契約法には安全配慮義務に違反した場合の罰則規定がありません。
しかし、使用者が安全配慮義務を怠った場合は、民法第415条の債務不履行責任、民法第709条の不法行為責任、民法第715条の使用者責任等を根拠に、使用者に損害賠償を請求することができます。
現在のページのサイトにおける位置づけ
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 2 ページ]
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ