氏名変更の手続き
氏名変更の手続きの概要・全体像
氏や名を変更するには、所定の手続きがあります。
さらに、変更する事由(=理由)により手続きも異なってきます。
このページでは、氏名変更の手続きの全体像についてまとめみます。
氏を変更する場合
結婚(離婚)・養子縁組(離縁)など民法が規定する所定の事由の場合
結婚(離婚)・養子縁組(離縁)など所定の場合の氏の決定については、民法が規定しています。
この場合は、そもそも法律上、氏が変更することが予定されていますので、手続的に困難なところはありません。
結婚した場合
結婚して、夫または妻の氏に変更する場合は、「婚姻届」を出すだけで足ります。
戸籍や住民票の変更手続きは婚姻届の提出により自動的に行われます。
自分で別途届出手続きをする必要はありません。
具体的には、婚姻届が受理されると、二人はそれぞれの親の戸籍から抜け、夫の姓を名乗る場合には夫を、妻の姓を名乗る場合には妻を戸籍筆頭者とする新しい戸籍が自動的に作成されます。
離婚する場合
たとえば、夫が戸籍筆頭者であれば、妻は戸籍から抜けますので、もとの(実家など)戸籍に戻るか、新たに自分の戸籍をつくるのどちからを選びます※。
※離婚届の様式に、もとの戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るかを選択するところがあります。
そして、これにより、旧姓に戻ることになります。
手続的には、「離婚届」を出すだけで足ります。
なお、離婚しても結婚していたときの姓をそのまま使うこともできます。
この場合は、「離婚の際に称していた氏を称する届」という所定の届出が必要となります。
死別した場合
この場合は、「復氏届」(婚姻によって氏(姓)を改めた人が、配偶者と死別したあと、婚姻前の氏(姓)に戻ることを希望するときに出す届出書)という所定の届出が必要となります。
子どもの氏が父または母と違うため変更する場合
たとえば、離婚して自分の戸籍を作った母が、前の戸籍に残っていた子どもを引き取って自分の戸籍に入れる場合など、子どもの氏が父または母と違うため変更する場合は、次の2つの手続きが必要となります。
養子になった場合
養子になった場合は、原則として、養親の氏を称することになります。
手続的には、「養子縁組届」を出すだけで足ります。
離縁した場合
手続的には、「養子離縁届」を出すだけで足ります。
なお、縁組の日から7年を経過した後に、縁組前の氏にもどった人は、離縁の日から3カ月以内に「離縁の際に称していた氏を称する届」という所定の届出をすることで、離縁の際に称していた氏を称することができます。
この届出は養子離縁届と同時に行うことができます
結婚(離婚)・養子縁組(離縁)など民法が規定する事由以外の事由の場合
結婚(離婚)・養子縁組(離縁)など民法が規定する事由以外の事由で氏(姓)を変更することは、「やむを得ない事由」がないとできません。
名を変更する以上に難しいといわれています。
やむを得ない事由があって、氏(姓)を変更したい場合は、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立」をしてその審判を受け、許可が下りたら、「氏の変更届」を提出します。
名を変更する場合
氏ほどではありませんが、名も簡単には変更することはできません。
ただし、「正当な事由」※がある場合は、家庭裁判所に「名の変更許可の申立」をして、その許可が下りれば、「名の変更届」を提出します。
※ 氏の変更の場合は、「やむを得ない事由」が必要とされますが、名の変更の場合は「正当な事由」が必要とされます。これは、氏の変更の場合より要件を緩和したものです。
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- 氏とは
- 氏名変更の手続き
- 氏名変更の手続き―子の氏を変更するための手続き―子の氏の変更許可申立
- 氏名変更の手続き―氏を変更するための手続き①―氏の変更許可申立
- 氏名変更の手続き―氏を変更するための手続き②―氏の変更届
- 氏名変更の手続き―名を変更するための手続き①―名の変更許可申立
- 氏名変更の手続き―名を変更するための手続き②―名の変更届
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