騒音―防音―遮音性能―基準―空気音―壁―日本建築学会の推奨基準―D値
D値とは
D値の定義・意味など
D値とは、現場(実際の建築物)で中心周波数125、250、500、1000、2000、4000Hzの6つの帯域について音響透過損失(TL)をそれぞれ測定し、これを日本建築学会の遮音基準曲線(D-30からD-60までの7つの曲線がある)にあてはめ、6帯域のすべての測定値が各遮音基準曲線での6帯域における基準値を上回るとき、その上回る基準曲線のうちの最大の基準曲線の数値をいう。
D値の目的・役割・意義・機能・作用など
現場における壁の遮音性能の指標
D値は、現場(実際の建築物)における、空気音に対する壁の遮音性能を表す指標で、数値が大きいほど、壁の遮音性能が高いことを意味する。
日本建築学会では、マンションなどの集合住宅、ホテル、ビル、学校、病院について、その推奨基準を示している。
たとえば、マンションなどの集合住宅では、D-45が標準とされている。
ただし、防音対策上は、D-55以上の遮音性能がある建物を目安にする。
なお、壁厚200mmで、D-55くらいが期待できる。
建築物 | ||||
---|---|---|---|---|
特級 | 1級 | 2級(標準) | 3級 | |
集合住宅の居室 | ||||
ホテルの客室 | ||||
(ビルなどの)事務所 | ||||
学校の普通教室 | ||||
病院の病室(個室) |
参考:吉野石膏 | 「せっこう」基礎知識/遮音性能基準 http://yoshino-gypsum.com/sekkou/syousai/syaonsei_pop.html
D値の見方・読み方・解釈の仕方
ほとんど聞こえない | |
かすかに聞こえる | |
小さく聞こえる。日常生活に支障はない | |
かなり聞こえる | |
大きい声で話されるとはっきり聞こえる | |
よく聞こえる | |
たいへんよく聞こえる |
参考:日本建築学会
D値と関係する概念
類似概念・類義語
TLD値
TLD値は、音響実験室における、空気音に対する壁単体の遮音性能を表す指標で、D値とは異なり、現場(実際の建築物)ではなく音響実験室で測定されるので、回り込む音の影響がなく、壁単体の遮音性能を正確に表す。
TLD値とD値との関係は次のようになる。
TLD値 = D値 + 回り込む音など
参考:吉野石膏 | 「せっこう」基礎知識 | 耐火・遮音・耐力・吸音 | なぜ音をカット?「遮音性」 | 遮音性能 http://yoshino-gypsum.com/sekkou/why/syaon/syaon02.html
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