騒音―防音―遮音性能―遮音対策
遮音対策
建物の遮音性を高めるには、音の遮断(質量側)と建物の高気密化の2つの方法が考えられる。
1.音の遮断(質量側)
音の遮断は①壁材②建具類③床材のそれぞれに分けて検討する必要がある。
①壁材
一般に壁材では単位面積当りの質量が大きいほど遮音性が向上する(質量則)。
②建具類
こうした開口部は壁材と異なり、材料や重さなどの機能面の制約がある。
また、可動部分があるため、可動部分と固定部分の重なり合う場所では隙間もできる。
そのため、窓、ドア、換気口といった開口部の建具類が外部からの音がもっとも伝わりやすい(遮音対策上の弱点となる)。
しかし、遮音性能の高い建具(防音サッシ・防音ドア・防音ダクト換気扇)の選定、施工時の精度などを確実に実施すれば、想定どおりの遮音性能を確保することができる。
日本音響材料協会 「音響材料の使い方と技術資料集」 音響技術No.159、2012年、4頁。
防音サッシ
次のページを参照。
防音ドア
- 目標とする遮音性能を確保できるドアを選定する
- 一般に遮音性能が高いドアほど重量が大きいので、それを取り付けられる壁の強度が必要である
- ドアは気密性が保たれてはじめて遮音性能を発揮するので、施工時の精度(隙間)が重要である
参考:日本音響材料協会 「音響材料の使い方と技術資料集」 音響技術No.159、2012年、5頁。
防音ダクト換気扇
24時間換気システムを設置することが義務づけられているが、換気口は空気の通り道であるので、空気音が換気口を伝わって室内に侵入してくる。
したがって、小さな開口とはいえ、遮音性能を低下させるので、注意すべき部位である。
遮音性能の高い換気口も商品化されているので、目標とする遮音性能を確保できる換気口を選定する。
日本音響材料協会 「音響材料の使い方と技術資料集」 音響技術No.159、2012年、5頁。
③床材
2.高気密化
外部からの音を遮断するには、建物や窓、ドア、換気口といった開口部の建具類の気密性を高めることも必要である。
建物の気密化
建具類の気密化
遮音気密材
開口部の建具類には隙間が発生し、遮音性能を低下させる可能性がある。
こうした隙間を埋めるための遮音気密材がある。
日本音響材料協会 「音響材料の使い方と技術資料集」 音響技術No.159、2012年、5頁。
隙間調整機構
開口部の建具には施工時の隙間調整機構を持っているものもあるので、こうした建具を選定すると目標とする遮音性能を確保しやすい。
日本音響材料協会 「音響材料の使い方と技術資料集」 音響技術No.159、2012年、5頁。
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