賃金―賃金支払の5原則―③全額払の原則
全額払の原則とは
全額払の原則の定義・意味など
全額払の原則(ぜんがくばらいのげんそく)とは、労働基準法が定める、賃金は労働者にその全額を支払わなければならないとする原則をいう。
労働基準法
(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
全額払の原則の具体例
全額払の原則から、たとえば、賃金から社宅の家賃・親睦会費・労働組合費などを一部控除して支払うことは認められない。
全額払の原則の位置づけ・体系(上位概念等)
賃金支払の5原則
全額払の原則は、給料の支払方法について労働基準法第24条1項・2項が規定する賃金支払の5原則のひとつである。
なお、賃金支払の5原則は給料の支払方法に関する次の5つの原則をいう。
全額払の原則の例外
全額払の原則の例外として、次の2つの場合が認められている。
これに該当する場合は、賃金の一部を控除して支払うことができる。
労働基準法
(賃金の支払)
第二十四条 賃金は…労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、…法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
1.法令に別段の定めがある場合
2.労使協定がある場合
書面による労使協定があれば、たとえば、賃金から社宅の家賃などを一部控除して支払うことができる。
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