労使協定
労使協定とは
労使協定の定義・意味など
労使協定(ろうしきょうてい)とは、労働基準法、育児・介護休業法、雇用保険法、賃金支払確保法などで定められた、労働者と使用者との間で締結される書面による協定をいう。
ただし、条文上は「労使協定」という用語は使用されていない。
労使協定の当事者
労働者側
労使協定は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者と締結する。
- 労働者の過半数で組織する労働組合
- 労働者の過半数を代表する者
労使協定の具体例
労働基準法
労働基準法では、たとえば、次のような労使協定が定められている。
- 賃金に関するもの
- 貯蓄金管理に関する協定
- 24協定(チェックオフ協定)
- 年次有給休暇手当の支払いに関する協定
- 休憩時間に関するもの
- 労働時間に関するもの
- 休暇に関するもの
- 年次有給休暇の計画的付与に関する協定
育児・介護休業法
育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)では、次のような労使協定が定められている。
労使協定の要件・条件
労働基準法
所轄の労働基準監督署への届出
労働基準法で定められている労使協定については、労使間の締結に加えて、所轄の労働基準監督署への届出が要件とされている場合もある。
労使協定の適用単位
事業
労働基準法では、適用される単位は会社ごとではなく、本店・支店・営業所や工場などの事業(事務所)ごととされている(→労働基準法の適用単位)。
このため労使協定の適用単位も会社単位ではなく、本店・支店などがある場合は、その場所単位となる。
すなわち、本店・支店等ごとに労使協定を締結し所轄労働基準監督署へ届け出る。
労使協定の目的・役割・意義・機能・作用など(法的性格・性質)
免罰的効力
労使協定の多くは、労働基準法等の効力を解除する効力や罰則を免れしめる効力が認められている。
これを免罰的効力という。
Q3.労使協定の法的意義や機能についておしえてください。|労働政策研究・研修機構(JILPT) http://www.jil.go.jp/rodoqa/06_kyoyaku/06-Q03.html
規範的効力
労使協定は、労働協約とは異なって、労働契約それ自体を規律する効力(規範的効力。たとえば、労働者に時間外労働義務を発生される効力)は認められない。
Q3.労使協定の法的意義や機能についておしえてください。|労働政策研究・研修機構(JILPT) http://www.jil.go.jp/rodoqa/06_kyoyaku/06-Q03.html
したがって、たとえば、36協定を締結してこれを所轄の労働基準監督署へ届け出れば、労働基準法違反とならずに時間外・休日労働を行わせることができる要件は満たすことになるが、実際に社員に時間外労働等を命ずるには労働契約(または労働協約、就業規則)などでその旨の根拠規定が別途必要になる。
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- 労使協定
- 労使協定―当事者―労働者側―労働者の過半数を代表する者
- 労使協定―具体例―労働基準法―貯蓄金管理に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―24協定(チェックオフ協定)―賃金の口座振込に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―24協定(チェックオフ協定)―賃金控除に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―年次有給休暇手当の支払いに関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―一斉休憩の適用除外に関する労使協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―変形労働時間制に関する協定―1カ月単位の変形労働時間制に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―変形労働時間制に関する協定―1年単位の変形労働時間制に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―変形労働時間制に関する協定―1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―フレックスタイム制に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―時間外・休日労働に関する協定(36協定・三六協定)
- 労使協定―具体例―労働基準法―みなし労働時間制に関する協定―事業場外労働に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―みなし労働時間制に関する協定―専門業務型裁量労働制に関する協定
- 労使協定―具体例―労働基準法―年次有給休暇の計画的付与に関する協定
- 労使協定―具体例―育児・介護休業法―育児・介護休業等に関する労使協定
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