独立開業の手引き―概要・概略・全体像―従業員を雇う場合
個人事業主で独立開業するには
従業員を雇わない場合、独立開業する手続きは実に簡単で、税金に関する手続きだけですみます。
個人事業主で独立開業する手続き・手順・方法・仕方(独立開業の手引き)―従業員を雇わない場合
しかし、従業員を雇う場合には、この手続きに加え、以下に述べる雇用に関する手続きなども必要となってきます。
税務署等(税務署・県税事務所)関係
給与支払事務所等の開設届出
「給与支払事務所等の開設の届出」とは、従業員に給与を支払うことになったとき、または、次に述べる青色事業専従者給与を支払うことになったときに、所轄の税務署に通知する手続きのことです。
青色事業専従者給与に関する届出手続
「青色事業専従者給与に関する届出手続」とは、配偶者や親、子供などを専従者として雇用する場合、所轄の税務署に通知する手続きのことです。
この手続をすれば、配偶者や親、子供などの給与を必要経費に参入できるようになります。
開業の日が1月15日以前ならば3月15日までに、1月16日以降ならば開業の日から2ヶ月以内に、「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署長あてに提出して行います。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
源泉所得税については、給料などの支払いの際に所得税を徴収し、原則として徴収した日の翌月10日までに税務署に納付しなければなりません。
しかし、給与の支給人員が常時10人未満である場合には、給与や退職手当、税理士等の報酬・料金について源泉徴収をした所得税について、年2回にまとめて納付できるという特例制度が設けられています。
この特例制度を受けるために行う手続を「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」といいます。
具体的には、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄の税務署長に提出して行います。
この申請により、手続きをした翌月から預かった所得税については、7月と1月の各10日までに、半年分をまとめて納付できるようになります。
さらに、1月は正月のため忙しいという場合には、1月20日までに納付期限を延長できる「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出」という手続きもあります。
労働基準監督署関係
労働保険の加入手続き
したがって、従業員を一人でも雇った場合は、原則として労働保険に加入しなければなりません。
労働保険の加入は、従業員を雇った日から10日以内に「労働保険の保険関係成立届」を、50日以内に「概算保険料申告書」を、所轄の労働基準監督署、または所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出して行います。
公共職業安定所(ハローワーク)関係
雇用保険加入手続き
雇用保険の加入は、従業員を雇った日から10日以内に「雇用保険適用事業所設置届」を、従業員を雇った日の属する月の翌月の10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を、所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出して行います。
なお、個人事業主本人は加入できません。
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