[社会]仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

日本の社会の仕組みや行政手続き等の方法・仕方・手順などを取り扱います。


刑事上の責任―刑事処分の流れ―②検察官の刑事処分の決定


事処分の流れ―②検察官の事処分の決定

はじめに

自動車を運転をする際に、必要な注意を怠ったために、死亡・傷害などの人身事故を起こした場合は、法211条2項の自動車運転過失致死傷罪による事責任(事処分)が問題となります。

事処分の流れとしては、自動車運転過失致死傷罪にあたるかの警察による捜査、そして、あたるとすればどのような処分をするかの検察官による事処分の決定となります。

  1. 自動車運転過失致死傷罪にあたるかの警察の捜査
  2. どのような処分をするかの検察官の事処分の決定

このページでは、このうち検察官による事処分の決定についてまとめています。

どのような処分をするかの検察官の事処分の決定

自動車運転過失致死傷罪にあたる疑いがある場合警察による捜査が行われます。

警察による捜査が終わると、次に警察から検察官に事件が送られます(送検)。

そして、検察官が必要な捜査をして、どのような処分をするかを決定します。

事処分の分類・種類

検察官がする事処分の種類には、次のようなものがあります。

  • 不起訴処分
  • 起訴猶予処分
  • 略式処分
  • 起訴処分

不起訴処分

不起訴処分とは、公訴を提起しないという処分です。

つまり、刑罰は課されない処分です。

犯罪を立証する十分な証拠がない場合には、不起訴処分が行われます。

起訴猶予処分

起訴猶予処分とは、犯罪は成立するのですが、訴追の必要がないとして不起訴にするという処分です。

つまり、不起訴処分と同様、刑罰は課されない処分です。

証拠があっても情状等により処分の必要がない場合には、起訴猶予処分が行われます。

略式処分

略式処分とは、公判を開かず、書面審理だけでを言い渡して手続きが終了する処分です。

軽微で事案が簡明な事件の場合には、略式処分が行われます。

起訴処分

起訴処分とは、公判が開かれる(裁判所で審理が行われる)処分です。

検察官が起訴処分を選択すると、公判が開かれ、裁判官が証拠に基づいて有罪か無罪か(犯罪事実の有無)を判断します。

有罪の場合は、情状を考慮してを定め、判決を言い渡すことになります。

事処分の決定の判断基準

どの事処分を選択するかを決定するにあたっては、たとえば、次の点が考慮されます。

  • 証拠の有無
  • 事案の悪質性や重大性
  • 被害者との示談の有無



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