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民事上の責任―損害賠償責任―対象・内容―人身事故―傷害事故―後遺傷害による損害

「後遺障害による損害」とは

はじめに

人身事故のうち、傷害事故の場合、損害賠償は、「傷害による損害」によるものと「後遺傷害による損害」によるものに大別されます。

交通事故を起こした場合の損害賠償責任の対象と内容

このページでは、このうち「後遺傷害による損害」の賠償の対象・内容についてまとめています。

「後遺傷害による損害」の定義・意味・意義

自動車損害賠償保障法（自賠法）では、損害を次の３つの種類に分類して、その区別ごとに定められた支払基準にしたがって、保険金を支払わなければならないとしています。

1. 死亡
2. 後遺障害
3. 傷害

自動車損害賠償保障法
（支払基準）
第十六条の三 　保険会社は、保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準（以下「支払基準」という。）に従つてこれを支払わなければならない。

「後遺傷害による損害」は、 上記３つのうち「後遺障害」にあたるものです。

交通事故によって傷害を負うと、治療を行います。

この治療中に生じた損害については「傷害による損害」として請求できます。

そして、治癒、症状固定、死亡によって、治療は終了しますが、その後は、傷害による損害の賠償は請求できなくなります。

このうち、治癒とは、交通事故で負った傷害が治ることです。

治癒した場合は、傷害による損害の賠償だけを請求できます。

また、症状固定とは、ある時期になり、治療をしても、治療の効果が出てこなくなる状態をいいます。

これは医者と相談して決められます。

そして、症状固定後に後遺障害等級が認められた場合が、「後遺障害による損害」です。

この場合、治療中に生じた「傷害による損害」にあわせて、「後遺障害による損害」の賠償を請求することができます。

「後遺障害による損害」の内容

「後遺障害による損害」の賠償の主なものは、次のとおりです。

• 逸失利益…後遺障害がなければ今後得られたであろう利益
• 慰謝料…後遺障害が残ったことによる精神的損害への賠償
• 将来の介護料…自賠責保険では認められていないが、任意保険と裁判では認められている損害賠償