民事上の責任―損害賠償責任―消滅時効
交通事故の損害賠償請求権の消滅時効
1.時効の起算点と時効期間の特則
民法の不法行為に基づく損害賠償請求権の場合
一般に、債権の消滅時効の起算点とその時効期間は、原則として、権利を行使することができる時から、10年とされています。
しかし、交通事故の損害賠償請求権については、不法行為に基づく損害賠償請求権として、特則が設けられています。
すなわち、交通事故による損害賠償を請求する権利は、損害と加害者の双方を知った時から、3年間行使しないと、時効にかかって消滅します。
つまり、損害が発生したこととその加害者を知りながら3年間ほっておくと、時効が完成し、損害賠償を請求できなくなるということです。
また、損害と加害者の双方がわからなければ、この3年間の消滅時効は進行しないのですが、事故後20年経過すると、やはり時効にかかって消滅します。
被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時 | |
交通事故の時 |
自動車損害賠償保障法(自賠法 自賠責法)に基づく損害賠償請求権の場合
人身事故の場合、ほとんどが自賠法によって損害賠償請求が行われていますが、自賠法では、時効期間は2年とされています。
2.時効中断
このように交通事故の損害賠償請求権については、一般の債権よりも時効期間が短くなっています。
そこで、時効完成期間がせまってきた場合などは、被害者は時効中断の手続きをとる必要があります。
時効中断の方法については、次のページを参照してください。
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