第一種郵便物―具体例―封書―構成―封筒―書き方―和封筒の場合(縦書き)―表面(封筒の宛名の書き方)
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封筒の表面の書き方(封筒の宛名の書き方)
封筒の表面には宛名を記載する。
内国郵便約款では、郵便物の表面には宛名記載部分(宛名を記載する部分)として、8cm✕4.5cm以上のスペースを確保することとされている(第11条)。
なお、封筒の規格サイズについては、次のページを参照。
余白
内国郵便約款別表では、宛名(受取人の住所・氏名等)と郵便番号記入枠との間は1cm以上のスペースをあけることとされている。
また、縦書にする場合は、右は1.5cm、左は1cm、下は1cmの余白をとることとされている。
封筒の表面の記載事項
宛名記載部分に記載する事項としては、次のようなものがある。
- 宛名
- 宛名以外
- 差出人
1.宛名
宛名、すなわち、受取人の住所と氏名・名称(と敬称)を記載する。
受取人の住所
郵便番号を書けば都道府県名は不要である。
数字は基本的には漢数字で書く。
この際、「十二」は「一二」、「二十一」は「二一」などと書く。
ただし、読み間違えないように、アラビア数字(0~9)を使用してもよい。
住所が長くなる場合は、区切りのいいところで改行して、2行に分けて書く(市町村名、マンション名が2行に分かれないようにする)。
また、会社あてで長い住所になる場合やマンション名が長い場合などは3行も可である。
この場合、氏名・名称は封筒の中央ではなく、やや左寄りになるが、それは仕方がない。※
※クロワッサン 『ちゃんとした手紙とはがきが書ける本』 マガジンハウス、2015年、6頁。
受取人の氏名・名称
氏名(個人の場合)・名称(会社の場合)は、原則として封筒の中央に、そして、住所・所在地より大きな文字で、住所・所在地より少し下げたところ(1字下げくらい)か同じところに記載する。
なお、会社名は「(株)」などと略さず、正式名称で記載する。
敬称
「様」「殿」「御中」といった敬称は、氏名・名称から少し離して書くが、あまり下がり過ぎないよう注意する。
個人宛の手紙の敬称は基本的には「様」である。
なお、夫婦宛など連名になる場合は、まとめて「様」とするのではなく、それぞれの氏名に敬称を付ける。
2.宛名以外
宛名記載部分には、受取人の住所・氏名のほか、次のような事項も記載することができる(内国郵便約款第13条)。
- 受取人の職業、称号、商標、印鑑、電話番号、口座番号、取引銀行の名称、発送番号その他これらに類する事項
- 受取人の氏名・住所に密接に関連する事項
- 外脇付け…「至急」、「机下」、「親展」その他これらに類する文字または日時
受取人の職業・称号
個人宛てだが会社名も書く場合には、氏名の右に1字くらい下げて、住所の文字の大きさより小さめに記載する。
さらに部署名も書く場合は、会社名の下に1字分あけて記載する。
また、役職・肩書も添える場合は、氏名よりも小さめに、そして、氏名の上に記載するのが基本である。
受取人の氏名・住所に密接に関連する事項
「◯◯様方」は氏名の右やや上に小さめに記載する。
外脇付け
外脇付けは、文書の取扱い方や文書の種類・内容を知らせるためのものである。
たとえば、次のようなものがある。
- 至急…直ちに開封して迅速な対応を求める場合
- 机下…相手に対する敬意を表す場合
- 親展…名宛人以外の開封を禁じる場合
- 重要…慎重な取り扱いが必要な場合
- ◯◯在中…たとえば、「請求書在中」など封入物の内容を表す場合
外脇付けの色は赤色にする場合もあるが、他の部分と同じ色(たとえば、黒)でもよい。
なお、赤色にできるのは、「速達」など一定の場合に限定されているなどと説明されている場合もあるが、そういうことはない。
速達にするときに、縦長の郵便物なら表面の右上部に赤い線を表示するのは、郵便法や郵便法施行規則など法律等の規定に基づいてのことではなく(これらの法令には、そうした規定はない)、郵便局の取り扱いのレベルの問題である。
したがって、外枠付けの色は赤色にすべきでないなどということはない。
3.差出人
日本では、差出人の住所・氏名等は封筒の裏面に書くことが多い(→封筒の裏面の書き方)。
しかし、差出人の住所・氏名等を表面に記載することもできる(内国郵便約款第13条)。
また、受取人の場合と同じように、差出人の職業、称号、商標等の事項も記載することができる(同上)。
なお、欧米では、封筒の表面に書くか、あるいは書かないことも多い。
平凡社『世界大百科事典』
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