[社会]仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

日本の社会の仕組みや行政手続き等の方法・仕方・手順などを取り扱います。


第一種郵便物―具体例―封書―構成―便箋―書き方(手紙の書き方)


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手紙の書き方

手紙の基本的な書式(段落構成)は以下のとおりである。

    1. 頭語
    2. 挨拶
      1. 時候の挨拶
      2. 相手と自分の安否の言葉
      3. 日頃の厚情へのお礼の言葉
  1. 主文
    1. 起辞
    2. 要件
  2. 末文
    1. 挨拶
      1. 今後の厚情を願う言葉
      2. 健康・繁栄等を祈る言葉
    2. 結びの言葉
    3. 結語
  3. 付け
    1. 日付
    2. 発信者…自分の
    3. 受信者(宛名)…相手の名字・敬称

以上、「主文」以外についてはすべて定型的な文章表現ですますことができ、この基本書式を押さえていれば、システマティックに手紙を作成することができる。

なお、こうした文書構成はいわゆる「起承転結」のパターンとも言える。

以下、各項目ごとにその詳細を説明する。

手紙の基本書式の具体的なテンプレートが次のページにあるので、参照のこと。

手紙の書き方・例文・文例 書式・様式・フォーマット 雛形(ひな形) テンプレート(基本書式)(縦書き)01(丁寧)(ワード Word) - [文書]テンプレートの無料ダウンロード

1.

文には、頭語時候の挨拶相手と自分の安否の言葉などを記載する。

起承転結で言えば、「起句」に相当し、このセクションで文意を起こすことになる。

頭語
拝啓・謹啓・略・拝復

よく使用されるのが、「拝啓」「謹啓」などである。

時候の挨拶以下文を省略する場合は「略」、そして、返事を書く場合は「拝復」を使用する。

頭語は1文字目から書き、頭語のあとは、1文字分空ける。

なお、(女性が)プライベートの立場で手紙を書く場合は、頭語は省略して時候の挨拶から始めても失礼にならず、そのほうがソフトな文章になるという意見もある。

また、「つつしんで申し上げます」といったやわらかい感じの頭語を用いるのもよい。

参考:クロワッサン 『ちゃんとした手紙はがきが書ける本』 マガジンハウス、2015年、8頁。

頭語の詳細・具体例については次のページを参照。

頭語とは

挨拶
時候の挨拶

時候の挨拶は、文で頭語のあとに句読点は使わず1字あけて書き始める季節に応じた挨拶の言葉である。

月ごとに季節感をあらわす慣用的な格式ある決まり文句(「◯◯の候」)があるが、身近な象を実感を込めた表現で具体的に、簡潔に書いてよい。

また、ビジネス文書では、「下」(このごろ、の意)という表現が季節に関係なく年中使えるので、よく用いられる。

時候の挨拶の詳細・具体例については次のページを参照。

時候の挨拶(時候のあいさつ)とは

相手と自分の安否の言葉

手紙葉書等には、文で時候の挨拶のあとに相手の安否を気づかう言葉と自分の安否を知らせる言葉を記す。

たとえば、ビジネス文書の代表例では「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」である。

具体例については次のページを参照。

相手と自分の安否の言葉

日頃の厚情へのお礼の言葉

次に、日頃の厚情へのお礼の言葉などを記す。

たとえば、ビジネス文書の代表例では「平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます」である。

省略してもよい。

具体例については次のページを参照。

日頃の厚情へのお礼の言葉

2.主文

起辞
「さて」

主文の起辞とは主文を起こす言葉(辞)で、文から主文に切り替わることを示す。

具体的には、段落を変えて、1字下げたうえ、「さて」などの次のような起辞を使って、主文に入ることを表す。

  • さて(、[私こと]このたび)
  • ところで
  • このたび
  • 実は
  • さっそくですが[さっそくではございますが]
  • 突然ですが[突然ではございますが]
  • (さて、)◯◯の件でございますが
  • (さて、)すでにご存じかと思いますが
  • (さて、)すでにご承知のように
  • (さて、)すでにお聞きおよびのことと思います[存じます]が
  • (さて、)ほかでもありませんが

そして、次の本来の要件へと展開するための事情・原因などを記載する。

このセクションは起承転結で言えば、「承句」に相当し、ここで本来の要件に入る準備をするわけである。

要件
「つきましては」

手紙の本来の要件を記載する箇所である。

「つきましては」「ついては」などという接続詞を使えば、段落構成が明確になり、手紙を読む相手も要件に入ったことがわかりやすい。

起承転結で言えば、「転句」に相当し、このセクションで「承句」を受けてこれを展開・発展させることになる。

3.末文

起承転結で言えば、「結句」に相当し、このセクションで文を結ぶ(まとめる)。

挨拶
今後の厚情を願う言葉

本文・本題が終わったら、段落を変え、1字下げたうえ、「今ともよろしくお願いいたします[お願い申し上げます]」などといった今後の厚情を願う言葉を記す。

具体例については次のページを参照。

今後の厚情を願う言葉

健康・繁栄等を祈る言葉

再度、段落を変え、1字下げたうえ、「季節柄」または「末筆ながら」などといった言葉からはじめて、「季節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げます」などといった相手の健康・繁栄等を祈る言葉を記す。

ビジネス文書の代表例では「貴社のますますのご発展を(心より)お祈り申し上げます」である。

その他の具体例については次のページを参照。

健康・繁栄等を祈る言葉

省略してもよい。

結びの言葉(起辞)
「まずは」「略儀ながら」「右[以上]」

末文に「まずは」という起辞を使うことで、手紙を書き終えたことを表す(例.「まずは簡単ではございますが、書中にてご挨拶申し上げます。」)。

または、「略儀ながら書中をもちまして」などと始めて「ご挨拶かたがたお礼申し上げます。」などと書く。

なお、短めの文にする場合(例.「まずはお礼まで」など)は、行の下に2~3字上げて記載する。

省略してもよい。

結語

文の頭語と対になる言葉を書く。

なお、女性がプライベートの立場で手紙を書いて頭語を省略した場合でも「かしこ」「さようなら」といった結語は必要である。

クロワッサン 『ちゃんとした手紙はがきが書ける本』 マガジンハウス、2015年、9頁。

4.付け

日付

段落を変えて、2~3字下げたうえ、日付を記載する。

なお、年は不要である。

発信者

次に、段落を変えて、行の下のほうに自分の名を書く(署名)。

なお、自分の名は相手(受信者(宛名))より先に書くので注意。

受信者(宛名)

に、また段落を変えて、相手の名字と敬称を記載する。



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