手紙―構成―便箋―書き方(手紙の書き方)―前文―時候の挨拶
時候の挨拶とは
時候の挨拶の定義・意味など
時候の挨拶(じこうのあいさつ)とは、手紙・はがき・ビジネス文書を書く際に、前文で頭語のあとに句読点は使わず1字あけて書き始める季節に応じた挨拶の言葉
をいう。
『最新国語便覧』 浜島書店、1994年、328頁。
時候の挨拶の目的・役割・意義・機能・作用など
日本では昔から要件に入る前に儀礼的なあいさつを述べる慣習がある。
『すぐ役立つ文書・書式大事典』 法研、2010年、40項。
日常的にも、たとえば、普段、人に会ったときは、「こんにちは」と挨拶してから、「暑くなりましたね」などと言う。
これを手紙・はがき等に即していえば、「こんにちは」が頭語、そして、「暑くなりましたね」が時候の挨拶に相当する。
時候の挨拶の具体例
時候の挨拶は月ごとに季節感をあらわす慣用的な格式ある決まり文句(「◯◯の候」)がある。
これは月ごとに決まった言葉を書くだけでいいので簡単である。
月ごとの時候の挨拶の具体例については以下のリンク先を参照。
また、特に何月ということではなく、季節を問わず年中使える時候の挨拶として、次のようなものがある。
- 気候不順の折から
- 天気も定まりかねる日が続いております
- 久しぶりに快晴に恵まれ、心も晴れ晴れといたしました
- とかく雨がちで、気もめいる日が続いております
『そのまま使える 文書・書式実例事典』 新星出版社、2007年、541頁。
ビジネス文書や公文書では、「時下」(このごろ、の意)という表現も、「時下ますますご清栄のこととお喜び[お慶び]申し上げます。」というかたちで、季節に関係なく年中使える時候の挨拶で便利である。
しかし、以上のような定型的な文章表現にとらわれず、身近な印象を実感を込めた表現で具体的に、簡潔に
書いてよい。
『最新国語便覧』 浜島書店、1994年、328頁。
目上の人への改まった手紙等でも、慣用的な決まり文句(「◯◯の候」)ではなく、自分で感じた季節を、感じたイメージそのままに書くことでその人との距離が縮まることもある。
特に、女性が決まり文句を使うと、事務的でよそよそしい感じがするので、自分自身の感覚・言葉をそのまま書いたほうがいいかもしれない。
参考:クロワッサン 『ちゃんとした手紙とはがきが書ける本』 マガジンハウス、2015年、16頁。
時候の挨拶のマナー・ビジネスマナー
時候の挨拶を省略する場合
次の場合には時候の挨拶は省略する。
- お見舞い(病気見舞い・災害見舞い等)
- お悔やみ
- お詫び
- 急用・重大な要件
参考:『最新国語便覧』 浜島書店、1994年、328頁。クロワッサン 『ちゃんとした手紙とはがきが書ける本』 マガジンハウス、2015年、16頁。
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