[社会]仕組み・手続き(申請・届出)・内容証明郵便など

日本の社会の仕組みや行政手続き等の方法・仕方・手順などを取り扱います。


土地探し―法規制―接道義務


接道義務とは

接道義務の定義・意味など

接道義務(せつどうぎむ)とは、建築基準法の規定により、都市計画区域または都市計画区域内に建築物を建築する場合は、原則として幅4m以上建築基準法上の道路に敷地が2m以上接していなければならないとする義務をいう。

つまり、都市計画区域または都市計画区域内に建築物を建築する場合には接道義務が発生し、敷地が所定の道路に一定以上接していなければ建築物を建築することはできないことになる。

建築基準法
(敷地等と道路との関係)
第四十三条  建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。…

接道義務の目的・役割・意義・機能・作用など

接道義務は、たとえば災害の避難経路や、消防車や救急車などの緊急車両の経路を確保することが目的である。

参考:接道義務 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/接道義務

また、人や車両の交通のみならず、上下水道・電気・ガスなどの通り道ともなる道路は敷地にとって「ライフライン」であるからである。

参考:増田 奏 『住まいの解剖図鑑』 エクスナレッジ、2009年、144項。

接道義務の適用範囲

都市計画区域と準都市計画区域

都市計画区域または都市計画区域以外の区域については接道義務はない。

建築基準法
(適用区域)
第四十一条の二  この章(第八節を除く。)の規定は、都市計画区域及び都市計画区域内に限り、適用する。

建築基準法上の道路

接道義務の対象となる道路は建築基準法上の道路である。

建築基準法上の道路については、同法42条で定義されている。

建築基準法
(道路の定義)
第四十二条  この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
 道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路

 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの

位置指定道路

土地に接している道路が私道であっても、特定行政庁(市区町村など)が指定すれば建築基準法上の道路として認められ、建物を建てることができる。

これを位置指定道路という(建築基準法第42条1項5号)。

赤道

誰が見ても道路であるが、道路法上は「道路」と認められていない道もあり、これは赤道(あかみち)などと呼ばれている。

ただし、赤道は通称で正式には里道(りどう)といい、公道ではあるが、道路法の適用のない法定外道路で、公図上赤線で示されているものをいう。

赤道に接して建物を建てる場合は、まず赤道を「道路」として認めてもらう手続きから始める必要がある。

参考:増田 奏 『住まいの解剖図鑑』 エクスナレッジ、2009年、145項。

接道義務の例外

セットバック

古い町などで、道路幅が4mに満たない場合は、道路の中心線から2m退させたところを道路境界線とみなす。

つまり、敷地の一部を道路として提供することになり、これにより例外的に建物を建てることができるが、実際に建築できる敷地はその分狭くなる。

これをセットバックという。

なお、向かい側の建物も同じように退すれば、将来的に4mの道路を作ることができようになる。

参考:飯島 信樹等共著 『快適な生活をつくる間取りの決め方』 西東社、2010年、221項。



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