法律関係―法律要件―分類―効力発生要件
効力発生要件とは
効力発生要件の定義・意味・意義
効力発生要件とは、ある法律行為が法律効果を発生するために法律上特に要求されている要件をいいます。
効力発生要件の具体例
一般的な効力発生要件
一般的な効力発生要件としては、民法で規定されている次の2つの制度があります。
個別的に規定されている効力発生要件
効力発生要件は、個別的にも規定されています。
たとえば、質権は、その目的となる動産(=質物)を債権者に引き渡すことが効力発生要件とされています。
民法
(質権の設定)
第三百四十四条 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。
契約は当事者の意思表示の合致(←契約の成立要件)だけで成立し、その効果を発生する、というのが原則です。
したがって、本来であれば、質権設定契約だけで質権の効力は発生するはずです。
しかし、法律上、特に質物の引渡しが効力発生要件とされているため、質物を債権者(たとえば質屋など)に引き渡さないと質権の効力は発生しないことになります。
効力発生要件の位置づけ・体系
法律関係は、一定の事実(これを法律要件といいます)があれば、一定の権利義務関係(これを法律効果といいます)が発生するというかたちをとります。
法律関係: 法律要件の存在 → 法律効果(権利または義務)の発生
このうちの法律要件(単に、要件と呼ばれることが多い)には、次のようなレベルがあります。
法律行為は、「成立要件 → 有効要件 → 効果帰属要件 → 効力発生要件」とそれぞれのレベルの要件をすべて満たしていってはじめて法律効果を生じます。
ただし、効果帰属要件や効力発生要件は、いつも問題になるとは限りません。
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