法律関係―法律要件―具体例―法律行為
法律行為とは
法律行為の定義・意味・意義
法律行為とは、人が意思表示によって法律効果(権利義務関係)を発生させるという法律要件をいいます。
別の言い方をすると、人の意思表示がその要素となっている法律要件を法律行為といいます。
法律行為の位置づけ・体系
法律要件の代表例
法律の世界(法学)でもっとも基本的な概念が法律関係(権利義務の関係)という用語です。
この法律関係は、「Aという一定の法律要件が存在するならば、Bという法律効果(権利義務の関係)が発生する」というかたちをとります。
法律行為は、この法律要件の代表例です。
法律行為の趣旨・目的・機能・役割
私的自治の原則を具体化するための概念装置
私的自治の原則のもと、人は原則として、自由に法律行為により法律効果を発生させる(つまり、自由に法律関係を形成する)ことができます。
これを私的自治の原則のコロラリーとしての「法律行為自由の原則」といいます。
そして、この「法律行為自由の原則」から、さらに「契約自由の原則」が導き出され、近代資本主義発達の原動力となりました。
しかし、このことは、逆に言えば、「法律行為」という概念装置を設け、これにより誰でも自由に法律関係を発生させることができると理論構成することで、私的自治の原則という私法上の基本原則が実現できた、ということです。
すなわち、近代社会においては、個人はそれぞれ自由・平等です。
中世の封建社会のときのように、誰からも支配されることはありません。
したがって、そのような個人を拘束し、権利義務関係が成り立つ根拠は、それぞれの意思に求めるほかはありません。
つまり、誰も他人にあることをすることを強制することはできません。
それにもかからわず、権利や義務が生じるのは、当事者がそれを自らの意思により欲したからにほかなりません。
これが近代私法の三大原則である私的自治の原則のベースとなる考え方です。
社会契約説と同様、一つの壮大なフィクション(仮想世界)ですが、法律行為(意思表示)という概念装置を出発点としてはじめて、権利義務関係が生じる仕組みを理論的・合理的に説明することが可能となります。
法律行為の具体例
契約
法律行為の代表例が契約です。
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