相続―相続の手続き・手順―遺言書がない場合―遺産分割―遺産分割の方法・仕方
遺産分割をするための3つの方法
遺産分割の方法には、次の3つの方法があります。
以下、この3つの方法について、説明・解説します。
1.遺言による遺産分割の方法の指定
(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止) 第九百八条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
2.相続人による遺産分割協議(話し合い)
遺言書がある場合
原則
遺言書により、遺産分割の方法が具体的に指定されていた場合には、相続人は、遺産分割協議をする余地はありません。
例えば、「ある土地を、共同相続人AとBに、各々2分の1の持分により、相続させる。」旨の遺言書があれば、AとBが話し合って(遺産分割協議をして)、これとは異なる割合で遺産を分割することはできません。
例外
しかし、 遺言書があっても、相続分の割合だけが指定されている場合には、相続財産を具体的に分けるとなると、やはり相続人による遺産分割協議が必要となってきます。
例えば、「特定のどの財産を(A土地を、という具合に)、誰々に(長男に)、どの割合で(全部)」、ということを指定せず、単に「相続財産は相続人間で均等とする」という具合に、相続分を観念的に割合でだけ指定している場合には、現実に遺産を分割する際になると、相続人間の話し合いが必要となってきます。
しかも、相続人間の協議で、遺言書で指定された観念的な割合とは異なった割合で、相続することもできます。
遺言書がない場合
遺言書がなければ、相続財産をどう分けるかは、共同相続人が話し合いで決めることになります。
3.家庭裁判所による遺産の分割の調停・審判
(遺産の分割の審判) 第九百七条 2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
遺産分割の調停
相続人間で話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に「遺産分割の調停」を申し立てることができます。
調停とは、裁判所の調停委員会が、相続人間の話し合いのあっせんをする制度です。
遺産分割の審判
調停で協議が成立しないときには、次に、裁判官による「遺産分割の審判」が行われます。
この審判には不服申立の道は開かれていますが、審判が確定すると、これに不服な相続人も従わなければならなくなります。
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