商業登記

商業登記とは、会社法と商法の規定により、個人商人や会社の営業上の一定事項を商業登記簿（国が備える公簿）に登記することをいいます。

商業登記は強制登記です（登記することが法律により義務づけられている）。

一般に登記による公示の制度は、第三者が不測の損害を被ることを防止して、もって取引の安全を図ることを目的としています。

特に、商法の世界では、民法の世界以上に取引の安全の要請が強くはたらきます。

営業上の一定事項が記載された公開の商業登記簿を閲覧することで、あらかじめ取引の相手に関する情報（会社の設立年度や資本金など）を調べることができます。

銀行などの金融機関に法人口座を開設したり、融資を受けたりする場合には、登記簿謄本を提出しなければなりません。

このように商業登記は、会社の身分証明としての役割も果たしています。

商業登記には次のような種類があります。

商業登記法
（商業登記簿）
第六条 登記所に次の商業登記簿を備える。
一商号登記簿
二未成年者登記簿
三後見人登記簿
四支配人登記簿
五株式会社登記簿
六合名会社登記簿
七合資会社登記簿
八合同会社登記簿
九外国会社登記簿

会社法
（株式会社の成立）
第四十九条 　株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

（変更の登記及び消滅の登記）
第九百九条 　この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。