退職の分類②―会社都合退職の範囲・具体例―退職勧奨―方法
退職勧奨の方法・仕方
ポイント・注意点―自由意志を阻害しないこと
退職勧奨による退職は合意退職、つまり、あくまで本人の自由意志による退職です。
したがって、退職勧奨を行う場合は、本人の自由意志を阻害しないようにすることが必要です。
自由意志の阻害
自由意志を阻害した場合
裁判で自由意志が阻害されたと認められた場合には、合意退職が無効・取消しになったり、場合によっては不法行為に該当するとして損害賠償責任が発生することもあります。
自由意志の阻害の具体例
たとえば、次にかかげるような退職勧奨の仕方は、自由意志を阻害することになる可能性があります。
退職勧奨をする際に誇張や虚偽の説明で本人の判断を誤らせる
裁判例では、上司が懲戒解雇事由になると誤った判断を告げて退職願の提出を求めて退職させたことは、民法上の「強迫」にあたるとして、退職の意思表示の取消しを認めた事例があります。
また、懲戒解雇事由となるべき事実がないにもかかわらず、これがあるものと誤信して退職届を提出した場合には、民法上の「動機の錯誤」にあたるとして、合意退職を無効とした事例もあります。
本人が退職勧奨に応じる意思がないのに執拗に説得を繰り返す
長期間にわたって執拗な退職勧奨を繰り返し、激しい疲労などに陥っているのに乗じて退職の申し出を行わせたことは「強迫」に該当するとした事例があります。
さらに、退職の意思がない者に対し十数回にわたって退職勧奨を行ったことは不法行為に該当するとした事例もあります。
本人に圧力を加え退職するか否かの選択の自由を奪って退職届を出させる
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