退職の分類②―自己都合退職の範囲・具体例
自己都合退職の範囲・具体例
自己都合退職とは、労働者からの申し出により退職するものをいいます。
たとえば、会社が嫌になり(人間関係、給料など)、転職するというのがその典型例です。
しかし、法律上は、自己都合退職に関する明確な定義はありません。
そのため、実際には(現実的には)、定年退職を除けば、そのほとんどが自己都合退職として取り扱われています。
これは、離職理由を自己都合退職にしたほうが会社側にメリットがある(逆にいうと、退職する本人側にはデメリットがある)と考えられるからです。
特に、自己都合退職は会社都合退職との区別がむずかしい場合があります。
ここでは、問題となる事例を取り上げてみます。
自己都合退職と会社都合退職との区別
自己都合退職扱いとされるもの
転勤できず退職せざるを得ない場合
転勤できない等の理由での退職は、基本的に自己都合退職で処理されている場合がほとんどと思われます。
しかし、雇用保険上は、「事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避」(わかりやすくいうと、転勤や出向によって別居しなければならない場合にその転勤・出向を断ること)するために、自己都合により離職した者は、自己都合退職ではあっても、特定受給資格者とされます。
会社都合退職扱いとされるもの
退職勧奨
退職勧奨とは、使用者の契約解除の申し込みに関して労働者が応じるというかたちの合意退職をいいます。
雇用保険上は、「事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者」は、「解雇」等により離職した者として、特定受給資格者とされます。
ただし、従来から恒常的に設けられている 「早期退職優遇制度」 等に応募して離職した場合は、 これに該当しません。
また、退職に応じると退職金の割り増しなどがされる場合もあります。
したがって、実質的に考えるならば、退職勧奨による退職は、会社都合退職として取り扱われる(場合がある)もの、といえるでしょう。
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