登記の諸原則―当事者申請主義(商業登記)
当事者申請主義とは
当事者申請主義の定義・意味・意義
商業登記とは、取引の安全を図るために、会社法と商法の規定により、商人(個人商人)や会社の営業上の一定事項を商業登記簿に記載して公示することをいいます。
この商業登記にはいろいろな種類があり、またそれぞれの種類ごとに、登記事項(登記簿に登記すべき事項)が決まっています(→登記事項法定主義)。
では、一体誰が登記をするのでしょうか。
この点、商業登記法は、次のように定めています。
商業登記法
(当事者申請主義)
第十四条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除くほか、当事者の申請又は官庁の嘱託がなければ、することができない。
つまり、登記は、「当事者の申請」または「官庁の嘱託」により、行われるということです。
ただし、「官庁の嘱託」により行われる登記は、法令に規定がある場合※にのみ許されるもので、商業登記は、「当事者の申請」により行われるのが原則です。
※具体的には、たとえば、会社の設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときに行われる登記などといった特別な場合です。
このように、登記は当事者、すなわち商人や会社の申請によりなされるという原則を当事者申請主義といいます。
登記申請の手続き
登記は、国等が職権で行なってくれるのではなく、自分で申請して行わなければならないわけです。
一般的には、司法書士に依頼することが多いのでしょうが、登記申請は、決して専門家でなければできないような難解な手続きではありません。
それに、司法書士に依頼すると、手数料がかかります。
一般の人でも、本やネット(当サイトのような)で知識を得て、自分で行うことは十分に可能です。
ただし、不動産登記の場合は、特に不動産売買による所有権移転登記などになりますと、取引の相手方がいますので、第三者である司法書士に依頼することになるでしょう。
しかし、商業登記の場合は、相手方はいませんので、こうした点は気にする必要がありません。
もちろん、なかには、特別な専門的知識(会社法、商業登記法、商業登記規則や各種通達など)を要する難しいケースもありますが、たとえば、会社住所変更登記(本店移転の登記)など、ごく簡単なものは自分で行うことができます。
商業登記申請の具体的な手続きについては、次のページを参照してください。
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