経理の月間・年間業務―リスト化(内容別・項目別)・スケジュール
企業、個人(個人事業主・自営業)を問わず、経理という仕事には、帳簿記入(簿記)、給与計算など日々しなければならない日常業務が多々あります。
しかし、年度末は特に忙しくなるなど、税務や労務(社会保険・労働保険)の関係で、毎年一定の時期に、税務署や年金事務所、労働基準監督署などに対して対外的な申告等をしなければならないなどといった、定例的な月間・年間業務には、特に注意を要します。
この種の仕事・事務・作業は、リスト化ないしはスケジュール化しておくと、頭が楽になり、また、取りこぼしもなくなり便利です。
これも、GTD(Getting Things Done)※の一種です。
※デビッド・アレンがその著作『仕事を成し遂げる技術 ―ストレスなく生産性を発揮する方法』で提唱した仕事術ないしはタスク管理法
多くの会社では、先輩などが個々にマニュアル化するなどして、何らかのかたちでノウハウが受け継がれていると思いますが、このページでは、バラバラしていてその全体像がつかみづらい経理の年間業務の主なものについて、(時系列にではなく)項目別にリスト化して、体系的にまとめてみます。
税務関係
1.従業員の税金関係
1.1 所得税の源泉徴収と納付
内容・概要
源泉徴収の対象となる給与などの所得を支払うときは、所得税を源泉徴収しなければなりません。
そして、源泉徴収をした所得税を、「所得税徴収高計算書(納付書)」を添えて、納付します。
納付先
期間・期限・時期
原則として、給与を支給した月の翌月10日までです。
ただし、納期の特例の適用を受けている場合は、次のようになります。
1.2 住民税の特別徴収と納付
期間・期限・時期
原則として、給与を支給した月の翌月10日までです。
ただし、納期の特例の適用を受けている場合は、次のようになります。
1.3 年末調整
内容・概要
年末調整とは、源泉徴収税額と実際の年税額との過不足を清算する手続きをいいます。
税務署に対しては、基本的には特別な申告等はありません。
ただ、1月10日までに源泉徴収した所得税を納付する際の「所得税徴収高計算書(納付書)」(いわゆる、源泉徴収所得税の納付書)に年末調整による不足額、超過額の増減を記載します。
期間・期限・時期
年末調整は、その年最後に給与の支払をする時に行うこととされていますので、通常は12月に実施することになります。
1.4 源泉徴収票・給与支払報告書の作成と交付・提出
内容・概要
年末調整が終わったら、年明けに、所得税法と地方税法の規定により、それぞれ源泉徴収票と給与支払報告書を作成し、交付・提出しなければなりません。
期間・期限・時期
翌年1月31日
交付・提出先
2.会社の税金関係
2.1 償却資産の申告
内容・概要
償却資産を所有している事業者は、市町村への償却資産の申告が法律が義務づけられています。
詳細については、次のページを参照してください。
申告先
市区町村の担当窓口
申告期間・期限・時期
1月31日
2.2 法人税等の中間申告
内容・概要
次のページを参照してください。
申告・納付先
所轄税務署等
期間・期限・時期
たとえば、決算月が12月(事業年度が1月1日から12月31日)であれば、1月~6月分を、1月1日から8月末までに申告し、納税します。
2.3 法人税の確定申告・納付
申告・納付先
所轄税務署
期間・期限・時期
たとえば、決算月が12月(事業年度が1月1日から12月31日)であれば、2月末までとなります。
2.4 法人住民税(市民税)の確定申告・納付
申告・納付先
市区町村の担当窓口(市民税課など)
期間・期限・時期
2.5 法人住民税(都道府県民税)の確定申告・納付
申告・納付先
都道府県の担当窓口(県税事務所など)
期間・期限・時期
2.6 法人事業税の確定申告・納付
申告・納付先
都道府県の担当窓口(県税事務所など)
期間・期限・時期
労務関係
1.従業員の社会保険関係
1.1 算定基礎届
内容・概要
社会保険料では、毎年1回、決まった時期に標準報酬月額の見直しをすることとしており、これを定時決定といいます。
そのため、事業主は、毎年7月「被保険者報酬月額算定基礎届け」を提出します。
この届け書に記載された報酬の平均額を標準報酬月額表にあてはめて、その年の9月以降の標準報酬月額が決定されることになります。
提出先
事業所を管轄している年金事務所
期間・期限・時期
年金事務所から、6月までに案内があります。
2.従業員の労働保険関係
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