9月―お彼岸
(" 雑節―お彼岸(彼岸) "から複製)
お彼岸とは
お彼岸の定義・意味・意義
お彼岸とは、春分の日と秋分の日を中日(「彼岸の中日」)として、それぞれ前後各3日を合わせた7日間をいいます。
つまり、お彼岸は年間で合計14日間あるということになります。
お彼岸の最初の日を「彼岸の入り(彼岸入り)」、最後の日を「彼岸明け」といいます。
お彼岸の分類・種類
お彼岸には、春分の日と秋分の日を中日とする2つの種類の彼岸があることになり、それぞれ春のお彼岸と秋のお彼岸と呼ばれています。
なお、俳句・俳諧の世界で「彼岸」というときは「春の彼岸」を指し、春の季語とされている。
お彼岸の位置づけ・体系
雑節
雑節は二十四節気と並ぶ、日本における独自の季節区分で、国立天文台が毎年発表している暦要項 (れきようこう)では、雑節として次のものが掲載されています。
お彼岸の趣旨・目的・役割・機能
「暑さ寒さも彼岸まで」
「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われ、残暑・残寒は彼岸の頃まで続き、彼岸を過ぎると過ごしやすくなります。
仏教と祖先崇拝
彼岸は仏教に由来します。
日本では、これに祖先崇拝の考え方が結びつき(仏教にはもともと祖先崇拝の考え方はありません)、お彼岸という独自の年中行事に発達しました。
仏教
彼岸とは本来は「彼の(かの)岸」=川の向こう岸という意味で、仏教用語です。
梵語(サンスクリット語)の「波羅蜜多(はらみた)」の漢訳が日本に伝えられて、「彼岸」というコトバができたといわれています(波羅蜜多=到彼岸(彼岸に至る))。
仏教では、此岸(しがん)=私たちが住んでいる、煩悩・迷いに満ちた現世・「この世」から、生死の海をわたって、彼岸=解脱した悟りの世界である来世・「あの世」にたどりつくものとされています。
また、春分の日や秋分の日は太陽が真東から昇り真西に沈むので、西方の極楽浄土という理想的な世界を説く浄土思想とも結びつきました。
祖先崇拝
彼岸=「悟りの世界」という意味から、「来世」という意味に解され、彼岸には故人をしのんでお墓参りに行き、先祖供養・追善供養を行います。
お彼岸に関する風俗・風習
仏事・法要
彼岸会(ひがんえ)
年中行事
お墓参り
一般家庭では、先祖供養・追善供養を行い、さらには極楽浄土への道を切り開くため、お彼岸には家族そろってお墓参りをします。
飲食物
ぼたもち(牡丹餅)・おはぎ(お萩)
お彼岸には、ぼたもちやおはぎを仏壇(先祖)に供えて先祖を供養するとともに、季節の変わり目となる彼岸の時期に体に良い小豆を食べて無病息災を願います。
小豆(あずき)の赤い色は邪気を祓い、厄除けの力があるという信仰があります。
こうして年中行事にあわせて和菓子を楽しむのは、日本の大切な食文化のひとつといえます。
なお、ぼたもちは地域によっておはぎとも呼ばれています。
また、春のものをぼたもち、秋のものをおはぎという説もあります。
彼岸そば
花・植物
彼岸花(ヒガンバナ)
関東以西では、秋の彼岸のころには、川の土手・田んぼ・墓地などで赤や白の花をつけた彼岸花をよく見かけます。
彼岸花には曼珠沙華(マンジュシャゲまたはマンジュシャカ)という別名があり、仏教の世界では、天上の花・天界の花で、これを見る者には悪行から離れさせるはたらきがあるとされています。
お彼岸と関係・関連する概念
対概念
お盆
お彼岸の経緯・沿革・由来・歴史など
農耕儀礼
お彼岸は、古くは真東から昇って真西に沈む太陽を拝する農耕儀礼でした。
季語
春
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