解雇―不当解雇
不当解雇問題への対応・対処・対策・指針
不当解雇問題の解決方法・手段のマニュアル・手順
話し合いがつかない場合は、突然の不当な解雇処分に対する具体的対処の手順は次のとおりです。
1.当事者同士で円満に解決する
当たり前のことですが、まずは当事者同士で話し合い、円満に問題を解決することが基本です。
2.解雇の理由を確認する
円満な問題解決が不可能であれば、まずは、会社に、 解雇理由を記載した解雇通告書の交付を請求します。
これが、自己都合で退職するのではなく、解雇や会社都合退職であることの証拠となります。
自己都合退職であれば、解雇予告手当がもらえないばかりか、雇用保険の失業等給付をすぐに受けることができず、3ヶ月先になることに注意してください。
また、形式的にでも退職願い・退職届け・辞表の類いを出してしまうと、解雇ではなく、自己都合退職となってしまうので、あわせて注意してください。
退職後に会社から送られてくる離職票に記載されている離職理由も必ずチェックしておきましょう。
3.不当解雇であること(解雇の要件を満たしているかどうか)を確認
会社が示した解雇理由について就業規則にちゃんと記載があるのかとか、解雇にあたり、解雇予告はあったのか、解雇予告手当ては支払われるのかという点を確認します。
→ 参照 不当解雇問題解決のための基本的法律知識2―解雇の要件
4.内容証明で自分の権利を主張する
不当解雇に対して自分の権利を主張する方法としては、次の2つがあります。
なお、1の解雇の無効を主張するという方法についてですが、話し合いで円満に職場復帰できるというのであればもちろん問題はありません。
しかし、そうでない場合、労働者側が法律の力を借りて強制的に解雇の意思決定を覆し、従来どおり働き続けるということは、現実問題として困難ではないかと思われます。
したがって、1の方法も2の方法と同じく、結局は、金銭的な解決を図る方法であるという点で変わりはありません。
ただし、1の方法では、給料も請求できます。
これは、少し難しい法律理論になりますが、民法の危険負担の法理(民法536②)によってです。
第五百三十六条 2 債権者(注 ここでは使用者のことになります)の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者(注 ここでは労働者のことになります)は、反対給付を受ける権利(注 ここでは賃金請求権のことです)を失わない。
もちろん、精神的な負担はありますが(解雇だという会社に対し、それは不当な解雇であると主張して、出社し続けるのですから)。
その他相談窓口など
労働基準監督署に相談
労働基準監督署に相談してみてもいいでしょう。
紛争調整委員会によるあっせん制度の利用
労働問題については、紛争調整委員会によるあっせんという制度があります。
この制度は、「当事者間に第三者が入り、双方の主張の要点を確かめ、場合によっては、両者が採るべき具体的なあっせん案を提示するなど、紛争当事者間の調整を行い、話合いを促進することにより、 紛争の円満な解決を図る制度」です。
なお、紛争調整委員会は各都道府県の労働局に設置されています。
裁判所の利用
通常の民事訴訟(具体的には、解雇無効や社員としての地位確認などの訴えを裁判所に提起します)のほか、労働審判手続を利用するという方法もあります。
労働審判手続きとは、平成18年4月1日から施行された労働審判法に基づくもので、「解雇や給料の不払など,事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルを,そのトラブルの実情に即し,迅速,適正かつ実効的に解決することを目的」としています。
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